臨床画像
2025年12月号 Vol.41 No.12
核医学による代謝機能画像(診断)から治療へ−ヨード内用療法からPSMAまで−

定価 2,970円(税込) (本体2,700円+税)
- B5判 108ページ
- 2025年11月26日刊行
電子版
序説
近年,核医学診療の領域において提唱されている概念に「theranostics」がある。現在は一般に「治療(therapy)」と「画像診断(diagnostics)」のかばん語(混成語)として説明される単語であるが,その名が指し示すとおり1種類の薬剤に特性の異なる放射線を放出する核種を結合させることで病変の診断や局在といった「画像診断」とそれらに対する放射線による「治療」を両立させるという考え方である。
わが国において核医学診療は50年以上の歴史を有し,この用語こそ用いられていないものの,薬剤の体内動態を活用した治療法として甲状腺疾患に対するヨウ化ナトリウム,悪性リンパ腫に対するイブリツモマブチウキセタン,骨転移に対する塩化ストロンチウム,塩化ラジウムなどが行われてきた。
近年,製薬技術の進歩により新たな核医学製剤が次々と開発され診断,治療の両面において活用されるようになってきた。対象疾患が拡大したことで多くの診療科から核医学診療は再び注目を集めており,日常診療においての需要も大いに高まっている。
一方で急速なアップデートに対し情報を入手する機会は限られており,また対象疾患の領域が多岐にわたっていることからさまざまな情報が一手に集まった成書も存在していないのが現状である。
そこで本特集では現在わが国で保険収載されている内用療法[放射性ヨウ素内用療法,ペプチド受容体放射性核種療法(peptide receptor radionuclide therapy:PRRT),131I–MIBG内照射療法]に加え,近年治療に直結する検査法として新規導入されたアミロイドPET,そして2025年9月に治療製剤が承認され,今後保険収載が期待される前立腺特異膜抗原(prostate–specific membrane antigen:PSMA)について,核医学診療のエキスパートによる知見をまとめていただいた。加えて,本疾患を日常的に診療し,内用療法に期待を寄せている各専門診療科医にも現状や治療の意義,適応について解説していただいた。
本特集が日常で核医学診療に従事される先生方の知見を深めるものとなることに加え,これから新たに内用療法の導入を検討される先生方にとって有用なものとなることを期待する。
松尾政之
近年,核医学診療の領域において提唱されている概念に「theranostics」がある。現在は一般に「治療(therapy)」と「画像診断(diagnostics)」のかばん語(混成語)として説明される単語であるが,その名が指し示すとおり1種類の薬剤に特性の異なる放射線を放出する核種を結合させることで病変の診断や局在といった「画像診断」とそれらに対する放射線による「治療」を両立させるという考え方である。
わが国において核医学診療は50年以上の歴史を有し,この用語こそ用いられていないものの,薬剤の体内動態を活用した治療法として甲状腺疾患に対するヨウ化ナトリウム,悪性リンパ腫に対するイブリツモマブチウキセタン,骨転移に対する塩化ストロンチウム,塩化ラジウムなどが行われてきた。
近年,製薬技術の進歩により新たな核医学製剤が次々と開発され診断,治療の両面において活用されるようになってきた。対象疾患が拡大したことで多くの診療科から核医学診療は再び注目を集めており,日常診療においての需要も大いに高まっている。
一方で急速なアップデートに対し情報を入手する機会は限られており,また対象疾患の領域が多岐にわたっていることからさまざまな情報が一手に集まった成書も存在していないのが現状である。
そこで本特集では現在わが国で保険収載されている内用療法[放射性ヨウ素内用療法,ペプチド受容体放射性核種療法(peptide receptor radionuclide therapy:PRRT),131I–MIBG内照射療法]に加え,近年治療に直結する検査法として新規導入されたアミロイドPET,そして2025年9月に治療製剤が承認され,今後保険収載が期待される前立腺特異膜抗原(prostate–specific membrane antigen:PSMA)について,核医学診療のエキスパートによる知見をまとめていただいた。加えて,本疾患を日常的に診療し,内用療法に期待を寄せている各専門診療科医にも現状や治療の意義,適応について解説していただいた。
本特集が日常で核医学診療に従事される先生方の知見を深めるものとなることに加え,これから新たに内用療法の導入を検討される先生方にとって有用なものとなることを期待する。
松尾政之
全文表示する
閉じる
目次
■特集:核医学による代謝機能画像(診断)から治療へ−ヨード内用療法からPSMAまで− 企画・編集:松尾政之
わが国における放射性ヨウ素内用療法の現状とその問題点 野口靖志
甲状腺癌の放射性ヨウ素(I–131)内用療法の実際 志賀 哲
Alzheimer病の診断と治療 司馬 康ほか
アミロイドおよびタウPETのAlzheimer病における病理診断の関係と適正使用 加藤隆司ほか
PPGLおよび小児神経芽腫に対するMIBGを用いた核医学診断の実際 若林大志
褐色細胞腫・パラガングリオーマおよび神経芽腫に対する131I–MIBG療法 菅原茂耕ほか
ルタテラ®治療における画像診断の役割−核医学検査を中心に− 布施かおりほか
神経内分泌腫瘍に対するPRRTの役割 肱岡 範ほか
PSMA–PETの臨床実装と留意点 吉田宗一郎
PSMAの泌尿器科における役割 波多野浩士
PSMAの放射線治療における役割 中村和正ほか
●大腸編連載 あなたのための大腸CT
[第7回]Stage 7:2D表示法を使いこなそう! 三宅基隆
●連載 画像診断研究のための統計学
[第3回]研究デザイン 新谷 歩,兵頭朋子
●連載 若手放射線科医のための放射線基礎講座
【第Ⅰ章 X線物理および放射線防護】
[第2回] 放射線防護の原則と関係法令 藤淵俊王
わが国における放射性ヨウ素内用療法の現状とその問題点 野口靖志
甲状腺癌の放射性ヨウ素(I–131)内用療法の実際 志賀 哲
Alzheimer病の診断と治療 司馬 康ほか
アミロイドおよびタウPETのAlzheimer病における病理診断の関係と適正使用 加藤隆司ほか
PPGLおよび小児神経芽腫に対するMIBGを用いた核医学診断の実際 若林大志
褐色細胞腫・パラガングリオーマおよび神経芽腫に対する131I–MIBG療法 菅原茂耕ほか
ルタテラ®治療における画像診断の役割−核医学検査を中心に− 布施かおりほか
神経内分泌腫瘍に対するPRRTの役割 肱岡 範ほか
PSMA–PETの臨床実装と留意点 吉田宗一郎
PSMAの泌尿器科における役割 波多野浩士
PSMAの放射線治療における役割 中村和正ほか
●大腸編連載 あなたのための大腸CT
[第7回]Stage 7:2D表示法を使いこなそう! 三宅基隆
●連載 画像診断研究のための統計学
[第3回]研究デザイン 新谷 歩,兵頭朋子
●連載 若手放射線科医のための放射線基礎講座
【第Ⅰ章 X線物理および放射線防護】
[第2回] 放射線防護の原則と関係法令 藤淵俊王
全文表示する
閉じる