Heart View
2025年8月号 Vol.29 No.8
ALL about 心房細動

定価 3,300円(税込) (本体3,000円+税)
- B5判 96ページ
- 2025年7月9日刊行
電子版
企画にあたって
笹野哲郎(東京科学大学大学院医歯学総合研究科循環制御内科学教授)
心房細動は患者数の多い不整脈の1つであり,わが国における有病者は約100万人と推定されている。心房細動は高齢になるほどその有病率が高くなるため,高齢化の進むわが国では,今後も患者数がさらに増加すると予想されている。心房細動は脳梗塞・心不全・認知機能低下といった合併症を生じるため,無症状であっても早期発見と早期介入が重要である。
さて,本特集を手に取ったあなたは,このようなことは十分ご存じではないかと思う。循環器医にとって,心房細動をテーマにした特集や記事を目にすることは比較的多く,“ 心房細動の話はどこかで見た” と思われるかもしれない。しかし,心房細動を取り巻く環境は近年急速に変化している。
近年の変化の第一は,一般人口のなかで心房細動という病気の認知が上がっていることである。学会を始めとするさまざまな啓発活動の成果といえるが,ヘルスケア機器で病名が表示されることもここに寄与している。第二は,ウェアラブルデバイスなどによるスクリーニング手法の進歩である。自覚症状を訴えて病院を受診するのではなく,「スマートウォッチに心房細動と表示されました」といって受診するというケースも増えた。第三は,AIによる有病予測が可能になったことである。2024年に,AIを用いて洞調律心電図から発作性心房細動の有病を予測する心電計が医療機器承認を得て発売された。従来の心電図自動診断とは異なり,循環器医が波形をみても診断できないことをAIが予測するという点で画期的といえる。第四は,治療の面での変革である。2024年にわが国での医療機器承認を得たパルスフィールドアブレーションは,従来の熱エネルギーとは異なる機序により,心筋細胞選択的に病変を形成して他臓器への影響が少ないという特徴がある。
本特集では,“ALL about心房細動” として,発症メカニズム解明の進歩,早期発見の進歩,治療学の進歩,についてそれぞれエキスパートの先生に解説をお願いした。心房細動について不安がある方はもちろん,ある程度知っているという方も,知識のアップデートのために一読して頂ければ幸いである。
笹野哲郎(東京科学大学大学院医歯学総合研究科循環制御内科学教授)
心房細動は患者数の多い不整脈の1つであり,わが国における有病者は約100万人と推定されている。心房細動は高齢になるほどその有病率が高くなるため,高齢化の進むわが国では,今後も患者数がさらに増加すると予想されている。心房細動は脳梗塞・心不全・認知機能低下といった合併症を生じるため,無症状であっても早期発見と早期介入が重要である。
さて,本特集を手に取ったあなたは,このようなことは十分ご存じではないかと思う。循環器医にとって,心房細動をテーマにした特集や記事を目にすることは比較的多く,“ 心房細動の話はどこかで見た” と思われるかもしれない。しかし,心房細動を取り巻く環境は近年急速に変化している。
近年の変化の第一は,一般人口のなかで心房細動という病気の認知が上がっていることである。学会を始めとするさまざまな啓発活動の成果といえるが,ヘルスケア機器で病名が表示されることもここに寄与している。第二は,ウェアラブルデバイスなどによるスクリーニング手法の進歩である。自覚症状を訴えて病院を受診するのではなく,「スマートウォッチに心房細動と表示されました」といって受診するというケースも増えた。第三は,AIによる有病予測が可能になったことである。2024年に,AIを用いて洞調律心電図から発作性心房細動の有病を予測する心電計が医療機器承認を得て発売された。従来の心電図自動診断とは異なり,循環器医が波形をみても診断できないことをAIが予測するという点で画期的といえる。第四は,治療の面での変革である。2024年にわが国での医療機器承認を得たパルスフィールドアブレーションは,従来の熱エネルギーとは異なる機序により,心筋細胞選択的に病変を形成して他臓器への影響が少ないという特徴がある。
本特集では,“ALL about心房細動” として,発症メカニズム解明の進歩,早期発見の進歩,治療学の進歩,についてそれぞれエキスパートの先生に解説をお願いした。心房細動について不安がある方はもちろん,ある程度知っているという方も,知識のアップデートのために一読して頂ければ幸いである。
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目次
■特集:ALL about 心房細動 企画・構成/笹野哲郎
【識る】
1 心房細動のメカニズムを遺伝的素因から考える 相庭武司
2 心房細動のメカニズムを免疫学的に考える 山添正博
3 心房細動のメカニズムを生活習慣病から考える 原田将英
4 PFAのメカニズムを基礎から識る 笹野哲郎
5【Expertise】生体信号からの心房細動検出 早野順一郎
【診る】
6 心房細動に潜む心臓アミロイドーシス 近藤秀和
7 歯周病が引き起こす心房細動リスクの最新知見 宮内俊介,應原一久,中野由紀子
8 ウェアラブルデバイスによる心房細動検出 妹尾恵太郎
9 腫瘍循環器における心房細動診断の重要性 庄司正昭
10 長時間ホルター心電計の有効な使い方 中島健三郎,草野研吾
11【Expertise】心房細動の先制医療における“医官学協業”:SPAFS(Stroke Prevention by early detection of AF in Shimizu) 吉永治彦
【治す】
12 PFAは心房細動治療を変えるゲームチェンジャーか 木村正臣
13 心不全患者における心房細動マネジメントを極める 井上耕一
14 アブレーション時代の薬物療法 志賀 剛
15 心房細動治療において生活習慣改善はどこまで重要か? 髙橋良英
16 心房細動治療におけるAI × simulationの可能性と活用上の留意点 佐久間一郎
●連載
・大切なことはすべて山下先生が教えてくれた 教え子達が伝えたい,心房細動診療の極意
第7回 心房細動と頻脈誘発性心筋症 八木直治
【識る】
1 心房細動のメカニズムを遺伝的素因から考える 相庭武司
2 心房細動のメカニズムを免疫学的に考える 山添正博
3 心房細動のメカニズムを生活習慣病から考える 原田将英
4 PFAのメカニズムを基礎から識る 笹野哲郎
5【Expertise】生体信号からの心房細動検出 早野順一郎
【診る】
6 心房細動に潜む心臓アミロイドーシス 近藤秀和
7 歯周病が引き起こす心房細動リスクの最新知見 宮内俊介,應原一久,中野由紀子
8 ウェアラブルデバイスによる心房細動検出 妹尾恵太郎
9 腫瘍循環器における心房細動診断の重要性 庄司正昭
10 長時間ホルター心電計の有効な使い方 中島健三郎,草野研吾
11【Expertise】心房細動の先制医療における“医官学協業”:SPAFS(Stroke Prevention by early detection of AF in Shimizu) 吉永治彦
【治す】
12 PFAは心房細動治療を変えるゲームチェンジャーか 木村正臣
13 心不全患者における心房細動マネジメントを極める 井上耕一
14 アブレーション時代の薬物療法 志賀 剛
15 心房細動治療において生活習慣改善はどこまで重要か? 髙橋良英
16 心房細動治療におけるAI × simulationの可能性と活用上の留意点 佐久間一郎
●連載
・大切なことはすべて山下先生が教えてくれた 教え子達が伝えたい,心房細動診療の極意
第7回 心房細動と頻脈誘発性心筋症 八木直治
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