NS NOW No.4

脳神経外科医のための脊椎外科

必須手技と合併症回避のコツ

脳神経外科医のための脊椎外科

■担当編集委員 大畑 建治

定価 11,000円(税込) (本体10,000円+税)
  • A4判  212ページ  2色,イラスト200点,写真30点
  • 2008年10月28日刊行
  • ISBN978-4-7583-0911-0

緻密な作業まで分かりやすく! 脳神経外科医のための脊椎外科

NS NOWの第4弾は,いまや,脳神経外科医でも主流となった脊椎領域の手術手技の解説書。
今回は,顕微鏡下の微細な手術が今後ますます求められる脊椎外科に焦点を当て,頭蓋頸椎移行部から腰椎までの主要な脊椎手術を取り上げる。前半の「頚椎」ではスクリューなどによる固定術をはじめ,椎弓拡大術や開放術を解説。後半の「胸腰椎」では多く直面する疾患(ヘルニアや脊柱管狭窄症,圧迫骨折など)に対する新進な器具を用いた手技や固定術を解説。また,神経ブロックについても詳細に述べられている。脊椎外科のエキスパート達による手術手技のすべてを網羅した一冊である。

■シリーズ編集委員
寺本 明/新井 一/塩川芳昭/大畑建治


序文

 本号では,脳神経外科医の主要専門領域の一つであるspine surgeryをテーマとした。 その中でも特に「脊椎」に限定した理由は,この領域が医用工学と脊椎力学の発展とともに目覚ましく進歩しているからである。脳が入った頭蓋骨と脊髄を囲む脊椎の決定的な違いは,後者は加齢性変化を伴う消耗品であることにある。その原因は脊椎力学特性に起因するものであり,従来の中枢神経側のみからのアプローチでは理解できない。謂わば,“脊椎外科学”という新たな学問体系がすでに始まっており,視点を変えた取り組みが必要である。少なくとも中枢神経系全般の治療の任にあたっている我々脳神経外科医は,この新しい治療分野を避けることはできないばかりか,必須分野として積極的に取り組まねばならない。この脊椎外科学の治療技術の全般を網羅することに本書の目的がある。
 手術用顕微鏡の導入と共に1970年代に本格的に始まった我が国の脳神経外科医による脊椎外科は,当初は“術後は安静”が一般的であり,神経除圧の大目標がすべてに最優先された。内固定のためのインプラントはワイヤーとロッドおよびレジン等に過ぎず,しかもこれらのインプラントは感染源として基本的には排除され続けた。1990年前後からペディクルスクリュー,さらにチタン合金やセラミック等のインスツルメンテーション製品が開発され爆発的に普及すると共に,手術成績の目覚ましい向上がもたらされた。反面,手術は複雑化し,過度な適応,神経血管の合併損傷などの弊害も生じている。本書では,厳しい淘汰が始まっている脊椎外科手術の最新情報にして基本的手技を,脊椎外科を始めたばかり,もしくは始めたいと思っている若手医師を対象として,この領域のエキスパートに分かりやすく解説していただいた。
 脊椎外科を習得すれば,さらに洗練された脊髄手術も可能になる。本書ではあえて脊髄外科は割愛した。その理由は,過去10年間では脊椎外科ほどの治療概念上の変遷はなく,むしろ脊髄外科の治療成績の向上は脊椎外科の発展に負うところが多いからである。脊髄外科に特化している医師にとっても本書が有益なものになることを確信している。
 最後に,脊椎外科がより低侵襲に安全に確実な治療手技として脳神経外科医にさらに広がることを祈念して本書の序とする。

2008年10月
大畑建治
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目次

I. 頚椎
 経口到達法  高橋立夫
  本術式の特徴
  手術手技
   ■手術前の注意
   ■手術手技
   ■再手術例
 後頭頚椎後方固定術−ロッド・スクリュー固定法  高安正和
  本術式の特徴
  手術手技
   ■術前準備
   ■手術手技
   ■閉創
   ■術後管理
   ■頭蓋頚椎後方固定の重要なコンセプト
 環椎軸椎後方固定  髙見俊宏,大畑建治
  本術式の特徴
  手術手技:Goel-Harms法
   ■術前評価
   ■手術手技
   ■閉創および後療法
   ■合併症
  手術手技:Magerl法での注意事項
 上位頚椎前側方到達法  伊藤昌徳
  本術式の特徴
  手術手技
   ■術前準備
   ■手術手技
   ■合併症
   ■前側方到達法の利点と欠点
 中下位頚椎椎間関節貫通スクリュー固定−Transarticular screw  飯田隆昭,飯塚秀明
  本術式の特徴
  手術手技
   ■術前準備
   ■手術手技
   ■代表症例
 中下位頚椎椎弓根スクリュー固定  川本俊樹,金  彪
  本術式の特徴
  手術手技
   ■術前準備
   ■手術手技
   ■合併症
   ■術後
   ■術中ナビゲーションシステムの利用
 中下位頚椎外側塊スクリュー固定  下川宣幸,夫 由彦
  本術式の特徴
  手術手技
   ■術前準備
   ■手術手技
   ■閉創
   ■後療法
   ■筆者の手術経験と合併症
 頚椎椎弓拡大形成術  谷口 真
  本術式の特徴
  手術手技
   ■術前準備
   ■手術手技
   ■閉創
 頚椎前方除圧固定術  小柳 泉
  本術式の特徴
  手術手技
   ■術前準備
   ■手術手技
   ■後療法
 頚椎前方椎間孔拡大術−anterior foraminotomy  前島貞裕,片山容一
  本術式の特徴
  手術手技
   ■術前準備
   ■術後管理
   ■治療成績・合併症
 頚椎後縦靱帯骨化症:前方除圧固定術  水野順一,平野仁崇
  本術式の特徴
  手術手技
   ■術前準備
   ■手術手技
   ■頚椎OPLL前方手術の重要なコンセプトは
 選択的頚部神経根ブロック  中島正明
  本術式の特徴
  頚部の周辺解剖
   ■椎間孔周辺解剖
  術前準備
  手術手技
   ■C3-C8神経根ブロックの手技
   ■星状神経節ブロックの手技
   ■C2神経根ブロックの手技
   ■術後
   ■合併症
II. 胸腰椎 胸椎椎間板ヘルニアに対する後側方到達法  秋山雅彦,谷  諭
  本術式の特徴
  手術手技
   ■術前準備
   ■手術手技
   ■閉創
   ■合併症
 胸椎・胸腰椎移行部病変に対する前方法  西浦 司
  本術式の特徴
  手術手技
   ■術前準備
   ■手術手技
   ■術後管理
   ■合併症
 胸腰椎移行部圧迫骨折に対する後方法−経皮的椎弓根スクリューの応用  川西昌浩
  本術式の特徴
  手術手技
   ■術前準備
   ■手術手技
   ■閉創
 腰椎椎間板ヘルニア摘出術  佐藤秀次
  本術式の特徴
  手術手技
   ■術前準備
   ■手術手技:1.正中アプローチ
   ■手術手技:2.lateral approach
   ■閉創
 腰部脊柱管狭窄症に対する後方除圧術  井須豊彦
  本術式の特徴
  手術手技
   ■マクロ操作
   ■マイクロ操作による硬膜嚢,神経根の減圧
   ■閉創
   ■合併症
 後方経路腰椎椎体間固定術(PLIF)と椎弓根スクリュー  庄田 基
  本術式の特徴
  手術手技
   ■術前準備
   ■手術手技
   ■インプラントの挿入
   ■閉創
   ■術後管理
   ■腰椎すべり症に対するPLIF+PS手術のコンセプトは
 経椎間孔腰椎椎体間固定術  浅見尚規
  本術式の特徴
  手術手技
   ■術前準備
   ■手術手技
   ■閉創
   ■術後管理
 前方経路腰椎椎体間固定術(ALIF)  森本哲也
  本術式の特徴
  手術手技
   ■術前準備
   ■手術手技
   ■術後管理とコルセット
   ■合併症
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