NS NOW No.11

小児脳神経外科手術

安全な手術のコツを伝授

小児脳神経外科手術

■編集 新井 一

定価 11,000円(税込) (本体10,000円+税)
  • A4判  176ページ  2色+カラー,イラスト50点,写真80点
  • 2010年8月6日刊行
  • ISBN978-4-7583-0918-9

在庫僅少です。


成人とは異なる小児脳神経外科疾患の手術について,周術期管理から手技の実際までをわかりやすく解説

今まで本シリーズでは主に具体的な疾患を取り上げて特集を組んできたが,今回は従来と異なり,「小児脳神経外科疾患」という大きなテーマを取り上げる。小児脳神経外科疾患は成人のそれとは異なり専門性が高く,一般の医療機関では接する機会が少ないのが現状である。本書では具体的に症例を挙げて,術前に手術をシミュレーションし,手術の実際を理解できるようイラストならびに術中写真を用いて具体的にわかりやすく解説した。

■シリーズ編集委員
寺本 明/新井 一/塩川芳昭/大畑建治


序文

 本号で第11号となる今回のNS NOWシリーズでは,『小児脳神経外科手術』をテーマとして取り上げた。前半では術前・術中・術後管理,手術の基本を,後半では先天奇形,脳腫瘍を中心に手術の実際について,それぞれエキスパートに解説していただいた。
 小児脳神経外科の対象となる疾患の多くは成人のそれと異なり,また,全身管理の観点からも小児を単純に成人のミニチュア版とすることはできない。正確な知識と技術をもって,小児脳神経外科を実践する必要がある。近年,脳神経外科の他の領域と同様に,小児脳神経外科領域にも様々な進歩がもたらされた。手術に関連するものとしては,水頭症や脳室内腫瘍の診断・治療への神経内視鏡の導入と頭蓋縫合早期癒合症の手術への骨延長器の応用が代表的なものとしてあげられる。一方で,水頭症に対するシャント手術や脊髄髄膜瘤の閉鎖術などは,時代を経てもその手術の基本に大きな変化はない。それだけに,このような基本的な手術については,より一層の安全性と確実性が求められることになる。本号の副題を,『安全な手術のコツを伝授』とした所以である。
 一般の脳神経外科医にとって,小児脳神経外科疾患に遭遇する機会は決して多くない。若手脳神経外科医が実際の症例を目の前にして,一例一例を大切に考え,手術の前日に本書を手に取って明日の手術のステップを確認し指導医とともに手術に臨む,そのような形で本書が活用されることを切に希望する。

2010年7月
新井 一
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目次

I 手術の基本  
術前管理  
 ■小児脳神経外科手術における術前管理の特徴 
 ■小児脳神経外科手術における術前管理 
  小児患者のQOL(quality of life)
  インフォームド・コンセントとインフォームド・アセント
  成長発達状態の評価
  意識障害の評価
  静脈路の確保
  小児患者に対する抑制
  薬剤の投与
  水分バランスのチェックと管理
  気道・呼吸状態のチェックと管理
  輸血の準備
  痙攣の管理
  頭蓋内圧亢進状態の管理

術中管理  
 ■アウトライン 
 ■術中管理 
  全身麻酔中の管理
  ポジショニング
  皮膚のマーキングとドレーピング
  術中の操作と管理

術後管理  
 ■術後管理の目的 
 ■術後の一般的観察項目と管理 
  意識レベル
  呼吸
  血圧,脈拍
  体温
  水電解質
  栄養
 ■特殊管理 
  頭蓋内圧管理
  感染症管理
  痙攣管理
  新生児特有の管理

開頭術の基本  
 ■特徴 
 ■小児脳神経外科の開頭術の基本知識 
  小児頭蓋骨を表現する用語
  小児頭蓋骨の解剖学的特異性
  開頭術の準備
 ■それぞれの開頭術 
  テント上開頭術
  後頭下開頭術

II 手術の実際  
先天性水頭症ー脳室腹腔シャント術(V-Pシャント)  
 ■本術式の特徴 
 ■手術手技 
  術前準備
  手術手技
  合併症
  小型の髄液リザーバーの設置手術

脊髄髄膜瘤  
 ■本術式の特徴 
 ■手術手技 
  手術のタイミング
  術前準備
  手術手技:基本
  閉創
  合併症
  手術手技:応用例
 ■まとめ 

脊髄脂肪腫  
 ■本術式の特徴 
 ■手術手技 
  T&D typeの手術:Pia-arachnoid-duro-lamino-fascio Plastyの術式
  LMMCCの手術:Arachnoid-duro Plasty & Spinal Cord Transpositionの術式

二分頭蓋  
 ■本術式の特徴 
 ■出生前後の対応と術前準備 
 ■手術手技 
  術前準備
  手術手技
  術後管理
  合併症
 ■その他の二分頭蓋 
  前頭蓋底脳瘤
  皮膚洞

キアリ奇形の手術  
 ■本術式の特徴 
 ■キアリ1型奇形の手術 
  手術準備
  手術手技
  合併症
 ■キアリ2型奇形の手術 
  新生児−乳児期発症型
  遅発性発症型

矢状縫合早期癒合症(舟状頭蓋)に対する手術  
 ■本術式の特徴 
 ■手術手技 
  手術体位
  皮膚切開,皮弁翻転
  頭蓋骨の拡大法

冠状縫合早期癒合症  
 ■本術式の特徴 
 ■手術手技 
  開頭範囲の決定
  術前準備
 ■Fronto-orbital advancement 
  手術の実際
  閉創
 ■Gradual distraction method 
  Distraction法の背景
  実際の手技
  出血に対する対処

症候群性頭蓋縫合早期癒合症  
 ■本術式の特徴 
 ■手術手技(FOA) 
  術前準備
  手術手技
  術後管理
 ■手術手技(頭蓋冠後方拡大手術および後頭蓋窩減圧術) 
  術前準備
  手術手技
 ■合併症 

くも膜嚢胞  
 ■本術式の特徴 
 ■手術手技 
  術前準備
  手術手技
  合併症に対する対策

テント上腫瘍1 ー頭蓋咽頭腫  
 ■本術式の特徴 
 ■手術手技 
  術前準備
  手術体位
  皮切
  硬膜切開
  半球間裂の剥離のコツ
  腫瘍の摘出と下垂体柄の温存
  困難な症例
  閉創
  術後管理の要点
 ■頭蓋咽頭腫の手術に際しての重要なコンセプト 
 ■合併症 

テント上腫瘍2 ー胚細胞腫  
 ■本術式の特徴 
 ■手術手技 
  内視鏡,器具の選択
  手術手技
  Occipital transtentorial approachによる腫瘍摘出の実際

テント下腫瘍(脳幹腫瘍を中心に)  
 ■本術式の特徴 
  手術適応
 ■手術手技 
  脳幹腫瘍への手術アプローチ選択
  術前準備
  手術手技
  症例
  閉創
  合併症予防のための術後管理
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