Crosslink 理学療法学テキスト

神経障害理学療法学Ⅱ

神経筋障害

神経障害理学療法学Ⅱ

■編集 中山 恭秀
鈴木 俊明

定価 4,400円(税込) (本体4,000円+税)
  • B5判  220ページ  オールカラー,イラスト100点,写真100点
  • 2019年2月15日刊行
  • ISBN978-4-7583-2003-0

講義,実習,臨床に! 広く長く活用できる,オールカラーの新テキスト!

理学療法学専門科目に対応し,講義・実習・臨床まで広く長く活用できる新テキスト。
各巻は,単なる丸暗記するための知識ではなく,なぜその評価法・治療法を選ぶのか,もしくは選んではいけないのか(禁忌)など根拠を示しながら,臨床につなげられるよう具体的に解説。平易な表現を用いながらも詳しく記述した本文と,図表を多用した紙面で理解しやすい構成となっている。
各見出しごとに「POINT」を設けて重要事項をまとめ,どこに重点を置いて学習すべきか,一目でわかるようになっている。また,さまざまな角度からの情報を盛り込んだ囲み記事も充実。巻末には症例検討や実習で役立つ「症例集」をまとめて掲載し,国家試験合格を最終目標とするだけでなく,臨床実習やその先の臨床の場でも活用できるつくりとなっている。
本巻「神経障害理学療法学Ⅱ 神経筋障害」では,総論で中枢神経系の基礎知識について解説し,各論でパーキンソン病,脊髄小脳変性症・多系統萎縮症,筋ジストロフィー症,筋萎縮性側索硬化症,多発性硬化症,多発神経炎・ニューロパチー(ギラン・バレー症候群など),末梢神経損傷(腕神経叢損傷・絞扼性末梢神経損傷),脳性麻痺の理学療法について解説している。


序文

 厚生労働省が医療費助成制度の対象としている指定難病は,2018年現在で330疾病にものぼります。難病とは,原因が不明で治療法が未確立のものですが,遺伝子検査などの進歩によって原因が突き止められたものもあり,いくつかの治療法も提案されています。しかし,難病には発症すると基本的に生涯付き合うことになる疾患や,死につながる疾患が少なくありません。指定難病330疾病のうち,リハビリテーションに関する診療報酬が設定され,理学療法を行うことが医学的に高く評価されている難病は,約30疾病です。これらについては巻頭付録に掲載しました。
 難病リハビリテーションの対象として示されていることの意味を考えると,手術療法や薬物療法のみでは患者の生活を変えることが難しい,というメッセージが伝わってきます。本書では,診療科からリハビリテーション実施の依頼や要望が強い疾患であり,理学療法との関係が深い6つの疾患を取り上げています。さらに,神経障害理学療法学を学ぶにあたり,はずしてはならない末梢神経障害と脳性麻痺を加えました。いずれも,急性期医療から社会参加に至るまでの基礎知識を十分に備えて患者と向き合うことが望まれる疾患です。
 本書は「基礎から臨床へ,そして学生から理学療法士へ」を編集のコンセプトとしました。基礎的な内容はもちろん,現場に立つ理学療法士の視点で臨床的な内容も盛り込んだ点が本書の特徴です。本書を通じて,学生時代から少しでも患者像のイメージを掴んでもらうとともに,理学療法士になってからも本書の内容を役立てていただければ幸いです。最後に,今回ご執筆いただいた先生方にこの場を借りて厚く御礼申し上げるとともに,編集にご尽力いただいたメジカルビュー社の北條智美氏に深謝いたします。

2018年12月
中山恭秀
鈴木俊明
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目次

第 1 章 総論
【1】中枢神経系の基礎知識  中馬孝容
 1 構造と機能
  はじめに
  大脳皮質
  皮質脊髄路(錐体路)
  大脳基底核
  小脳
  視床
 2 中枢神経障害の概要
  脳血管障害
  脱髄性疾患
  変性疾患
  中枢神経疾患以外での神経筋疾患
  まとめ

第 2 章 各論
【1】パーキンソン病の理学療法  中山恭秀
 1 疾患の病態
  概要
  病態
 2 症候・障害
  症状
  障害
 3 医学的検査
  厚生労働省の診断基準
  重症度判定
 4 医師による治療
  薬物療法
  外科的治療
 5 理学療法評価
  概要
  バイタルサイン
  健康観〔生活の質(QOL)など〕
  関節可動域(ROM)の測定〔筋緊張,固縮(筋強剛)の状態把握含む〕
  筋力(握力,膝関節伸展筋力など)
  バランス
  姿勢
  基本動作
  歩行・応用歩行
  日常生活活動(ADL)・生活関連の諸動作
 6 理学療法
  治療戦略の立案(問題点の整理と目標の設定)
  ROM 練習〔固縮(筋強剛)に対する理学療法〕
  筋力トレーニング
  姿勢反射障害によるバランス低下に対する理学療法(バランストレーニング)
  動作・歩行障害に対する理学療法(認知運動戦略とキュー刺激の利用)
  環境調整
  まとめ
【2】脊髄小脳変性症・多系統萎縮症の理学療法  菊本東陽,五十嵐祐介
 1 疾患の病態
  概要
  病態
 2 症候・障害
  症候
 3 医学的検査
  脊髄小脳変性症(SCD)・多系統萎縮症(MSA)の診断基準
  重症度判定
 4 医師による治療
  運動失調症状に対する治療
  随伴症状に対する治療
 5 理学療法評価
  概要
  バイタルサイン
  認知機能(高次脳機能)
  筋緊張・関節可動域(ROM)
  協調性・運動失調(感覚検査も含む)
  筋力
  起居移動動作
  日常生活活動(ADL)・生活関連動作(APDL)
 6 理学療法
  治療戦略の立案
  筋力トレーニング
  基本動作練習
  歩行練習
  代償手段の導入
  自主トレーニング指導
  まとめ
【3】筋ジストロフィーの理学療法  西條富美代,廣瀬 昇,松尾 洋
 1 疾患の病態
  概要
  病態
 2 症候・障害
  症状
 3 医学的検査
  血液検査
  その他の検査
 4 医師による治療
  集学的ケア
  心理・社会的ケアと遺伝相談
 5 理学療法評価
  概要
  運動発達に関する医療面接
  運動機能評価
  呼吸機能検査
  姿勢・動作(歩行)分析
 6 理学療法
  理学療法の目的
  関節可動域(ROM)練習・ストレッチ
  基本動作練習
  日常生活活動(ADL)指導
  補装具療法
  リスク管理
  まとめ
【4】筋萎縮性側索硬化症の理学療法  望月 久,保木本崇弘
 1 疾患の病態
  概要
  病態
 2 症候・障害
  主な症候と障害
 3 医学的検査
  診断
 4 医師による治療
  医学的対応
 5 理学療法評価
  重症度の分類と総合的な評価指標
  その他の評価
 6 理学療法
  治療戦略の立案(問題点の整理と目標の設定)
  関節可動域(ROM)練習
  筋力トレーニング
  全身調整運動
  呼吸機能低下に対する理学療法
  動作・歩行障害に対する理学療法(運動療法と補助具の使用)
  環境調整
  まとめ
【5】多発性硬化症の理学療法  大森圭貢
 1 疾患の病態
  概要
 2 症候・障害
  症候
  二次的な障害
 3 医学的検査
  検査の種類
 4 医師による治療
  病期別の治療法
 5 理学療法評価
  全般的評価
  疾患特異的な評価
 6 理学療法
  疾患の特徴を踏まえた理学療法実施の全般的注意点
  運動療法
  動作練習
  環境整備
  患者教育
  コンディショニング
  まとめ
【6】多発神経炎・ニューロパチー(ギラン・バレー症候群など)の理学療法  縄井清志,桐山希一
 1 疾患の病態
  概要
  病態
 2 症候・障害
  症状
 3 医学的検査
  ギラン・バレー症候群(GBS)の診断
 4 医師による治療
  GBSの治療法
 5 理学療法評価
  概要
  急性期の理学療法評価
  GBSの重症度分類
  回復期の理学療法評価
  GBSにおける電気生理学的検査所見の特徴
 6 理学療法
  目標設定
  急性期での目標
  プラトー期から回復期での理学療法の目標
  まとめ
【7】末梢神経損傷(腕神経叢損傷・絞扼性末梢神経損傷)の理学療法
 1 疾患の病態
  概要
  末梢神経障害の分類
 2 症候・障害
  運動神経・感覚神経・自律神経の障害とその内容
 3 医学的検査
  各検査の内容
 4 医師による治療
  治療の種類と内容
 5 理学療法評価
  関節可動域(ROM)検査・筋力検査・感覚検査
  電気生理学的検査
  特有な肢位・誘発テスト
 6 理学療法
  概要
  ROM 練習
  筋力増強練習
  筋電図バイオフィードバック療法
  治療的電気刺激(TES)
  感覚再教育練習
  装具療法
  動作指導
  まとめ
【8】脳性麻痺の理学療法  新田 収
 1 疾患の病態
  脳性麻痺の定義
  発症原因
 2 症候・障害
  脳性麻痺のタイプ
  アテトーゼ型脳性麻痺の特徴
  痙直型脳性麻痺の特徴
  痙直型脳性麻痺の分類
 3 医学的検査
  アテトーゼ型脳性麻痺の原因
  痙直型脳性麻痺の原因
 4 医師による治療
  ボツリヌス治療
  バクロフェン髄内投与療法
  選択的後根切除術
  整形外科的治療
 5 理学療法評価
  運動発達評価の意義
  運動発達と月齢
  代表的な評価尺度
  姿勢反射
  脳性麻痺児における動作分析
 6 理学療法
  機能改善
  基本動作プログラム
  日常生活活動(ADL)に対するプログラム
  まとめ

症例集
  パーキンソン病(軽度・外来患者)
  パーキンソン病(軽度・中等度)
  パーキンソン病(重度)
  脊髄小脳変性症
  多系統萎縮症
  デュシェンヌ型筋ジストロフィー
  筋萎縮性側索硬化症
  多発性硬化症
  ギラン・バレー症候群
  末梢神経障害
  脳性麻痺
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