Crosslink 理学療法学テキスト

物理療法学

物理療法学

■編集 吉田 英樹

定価 5,280円(税込) (本体4,800円+税)
  • B5判  376ページ  オールカラー,イラスト130点,写真270点
  • 2019年12月30日刊行
  • ISBN978-4-7583-2006-1

講義,実習,臨床に! 広く長く活用できる,オールカラーの新テキスト!

理学療法学専門科目に対応したテキストシリーズ。
第1章「物理療法学総論」で物理療法の概要,物理療法により賦活される主な鎮痛メカニズムについて解説。以降の章で各種物理療法(温熱療法,寒冷療法など)について解説し,巻末に各種療法を用いた症例をまとめた。


序文

編集の序

 物理療法は,運動療法とともに理学療法の両輪であり重要な治療手段です。物理療法は,さまざまな生体反応に好影響をもたらし,運動療法と併用・同時施行することで治療効果を相乗的に高められます。欧米の理学療法士は物理療法の重要性を十分に認識し,臨床で日常的に活用するだけでなく研究にも積極的に取り組んでいます。一方,日本の理学療法士は物理療法の重要性を低くとらえ,運動療法に偏った理学療法を展開しているのが現状だと思います。このような現状を打開するためには,学生が物理療法の重要性を十分に認識できると同時に,臨床での物理療法の実践法をイメージしやすい(臨場感に富む)テキストが必要だと考えました。本書では,この目的を達成するために,ベテランの先生方だけでなく,臨床や研究の現場で物理療法を積極的に活用しておられる新進気鋭の若手の先生方に意図的にお声がけさせていただき,執筆にご参画いただきました。その結果本書は,物理療法の基礎および専門的知識や多くの最新エビデンスを収載できただけでなく,従来のテキストよりも臨場感に富んだものになったと感じています。ご執筆いただきました先生方には心から感謝申し上げます。
 本書では,物理療法のテキストの構成上の試みとして,冒頭の総論において物理療法により賦活される主な鎮痛メカニズム(内因性疼痛抑制系)を解説しました。鎮痛メカニズムについては,いまだに定説や統一見解が得られていないものもありますが,物理療法を用いた疼痛の治療戦略を考えるうえで必須の知識です。しかし従来のテキストでは,鎮痛メカニズムは電気刺激療法などの解説のなかで簡潔にしか扱われないことも多く,学生が鎮痛メカニズムと物理療法の関連性を理解する妨げになっているのではないかと感じていました。本書の試みは,このような現状に対する1 つの挑戦であります。また本書では,従来からの物理療法に加えて,最近注目されている衝撃波療法やロボットリハビリテーションなども取り上げました。衝撃波療法は,難治性疼痛に対する新たな物理療法として広まりつつあります。ロボットリハビリテーションは,その源流は整形外科手術後に用いられる持続的他動運動訓練器( CPM )だと思われますが,最近は対象者の運動技能を補助し,運動経験を反復させることで対象者の能力を高めることを目的としたロボットが注目されています。さらに巻末の症例集には,物理療法を実践する機会に乏しい学生だけでなく,新人からベテランの理学療法士にとっても目から鱗が落ちる知見が含まれており,臨床現場でも長くご活用いただけると思います。本書が,学生の物理療法教育,さらには物理療法の恩恵を受ける患者様の幸福につながることを祈念しています。
 最後に,慣れない編集作業を進めるうえでお世話いただきましたメジカルビュー社編集部の髙橋祐太朗氏,小松朋寛氏に深謝申し上げます。

2019年11月
吉田英樹
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目次

第 1 章物理療法学総論
 【1】 物理療法とは   吉田英樹
  1 物理療法(EPA)の定義と今後の課題
  まとめ
  2 物理療法により賦活される主な鎮痛メカニズム  吉田英樹
  1 内因性疼痛抑制系
  まとめ
第 2 章温熱療法
 【1】 温熱療法総論  荻原久佳
  1 温熱療法とは
  2 温熱療法の理解に必要な基礎知識
  まとめ
 【2】 ホットパック  荻原久佳
  1 ホットパックの定義・分類
  2 ホットパックの実施手順
  まとめ
 【3】 パラフィン浴   荻原久佳
  1 パラフィン浴
  まとめ
 【4】 極超短波療法・超短波療法  森下勝行
  1 極超短波療法・超短波療法とは
  2 極超短波療法・超短波療法の作用・効果
  3 極超短波療法・超短波療法の実施手順
  4 極超短波療法・超短波療法の適応と注意事項・禁忌
  まとめ
第 3 章超音波療法
 【1】 超音波療法  森下勝行
  1 超音波療法とは
  2 超音波療法の作用・効果
  3 超音波療法の応用治療
  4 超音波療法の実施手順
  5 超音波療法の適応と注意事項・禁忌
  まとめ
第 4 章 寒冷療法
 【1】 寒冷療法  前田貴哉
  1 寒冷療法とは
  2 寒冷療法の作用・効果
  3 寒冷療法の実施手順
  4 寒冷療法の適応と注意事項・禁忌
  まとめ
第 5 章 水治療法
 【1】 水治療法  中嶋正明
  1 水治療法とは
  2 水治療法の作用・効果
  3 渦流浴
  4 ハバードタンク
  5 交代浴
  6 水中運動療法
  まとめ
第 6 章 光線療法
 【1】 光線療法総論  吉田英樹
  1 光線療法とは
  2 光線療法の理解に必要な基礎知識
  まとめ
 【2】 赤外線療法  吉田英樹
  1 赤外線療法とは
  2 赤外線療法の作用・効果
  3 直線偏光近赤外線治療器を用いた近赤外線療法の実施手順
  4 キセノン光治療器を用いた近赤外線療法の実施手順
  5 直線偏光近赤外線やキセノン光を星状神経節へ照射する場合の実施手順
  6 遠赤外線療法の実施手順
  7 赤外線療法の適応と注意事項・禁忌
  まとめ
 【3】 レーザー療法  吉田英樹
  1 レーザー療法とは
  2 レーザー療法の作用・効果
  3 レーザー療法の実施手順
  4 レーザー療法の適応と注意事項・禁忌
  まとめ
 【4】 紫外線療法  吉田英樹
  1 紫外線療法とは
  2 紫外線療法の作用・効果
  3 紫外線療法の実施手順
  4 紫外線療法の適応と注意事項・禁忌
  まとめ
第 7 章 電気刺激療法
 【1】 電気刺激療法総論  山口智史
  1 電気刺激療法とは
  2 電気刺激療法の理解に必要な基礎知識
  まとめ
 【2】 経皮的電気神経刺激(TENS)  徳田光紀
  1 TENSとは
  2 TENSの作用・効果
  3 TENSの実施手順
  4 TENSの適応と注意事項・禁忌
  まとめ
 【3】 神経筋電気刺激(NMES)  山口智史
  1 NMESの定義・分類
  2 NMESの作用・効果
  3 NMESの実施手順
  4 NMESの適応と注意事項・禁忌
  まとめ
 【4】 干渉電流療法(IFCS)  宮城島一史
  1 IFCSとは
  2 IFCSの作用・効果
  3 IFCSの実施手順
  4 IFCSの適応と注意事項・禁忌
  まとめ
 【5】 機能的電気刺激(FES)  畠山和利
  1 FESとは
  2 FESの適応条件
  3 FESの分類
  4 FESのエビデンス
  5 筋疲労
  6 FESの実際
  まとめ
 【6】 末梢神経電気刺激療法(PNS)  森聡
  1 PNSとは
  2 PNSの作用・効果
  3 PNSの実施手順
  4 PNSの適応と注意事項・禁忌
  まとめ
 【7】 微弱電流刺激療法(MES)  藤和善
  1 MESとは
  2 MESの作用・効果
  3 MESの実施手順
  4 微弱電流刺激療法の適応と注意事項・禁忌
  まとめ
第 8 章 筋電図バイオフィードバック療法
 【1】 筋電図バイオフィードバック療法  中村潤二
  1 バイオフィードバック療法の定義・分類
  2 EMGBFの作用・効果
  3 EMGBFの実施手順
  4 EMGBFの適応と注意事項・禁忌
  まとめ
第 9 章 牽引療法
 【1】 牽引療法  金原一宏
  1 牽引療法とは
  2 牽引療法の作用・効果
  3 牽引療法の実施手順
  4 牽引療法の適応と注意事項・禁忌
  まとめ
第 10 章 振動刺激療法
 【1】 振動刺激療法  喜多頼広
  1 振動刺激療法とは
  2 振動刺激療法の作用・効果
  3 振動刺激療法の実施手順
  4 振動刺激療法の適応と注意事項・禁忌
  まとめ
第 11 章 衝撃波療法
 【1】 衝撃波療法(ESWT)  山田将弘,羽木本宗俊
  1 ESWTとは
  2 衝撃波のメカニズム
  3 実施手順
  4 ESWTの適応と注意事項・禁忌
  まとめ
第 12 章 ロボットリハビリテーション
 【1】 ロボットリハビリテーション  前田貴哉
  1 ロボットリハビリテーションとは
  2 ロボットリハビリテーションの作用・効果
  3 ロボットリハビリテーションの実施手順
  4 ロボットリハビリテーションの適応と注意事項・禁忌
  まとめ
症例集
  ホットパック   吉田英樹
  パラフィン浴   吉田英樹
  極超短波療法・超短波療法  森下勝行
  超音波療法  森下勝行
  寒冷療法  前田貴哉
  水治療法  中嶋正明
  赤外線療法  吉田英樹
  レーザー療法  吉田英樹
  神経筋電気刺激(NMES)①  山口智史
  神経筋電気刺激(NMES)②  山口智史
  神経筋電気刺激(NMES)③  山口智史
  神経筋電気刺激(NMES)④  山口智史
  干渉電流療法(IFCS)  宮城島一史
  機能的電気刺激(FES)  畠山和利
  上肢に対する末梢神経電気刺激療法(PNS)  森 聡
  下肢に対する末梢神経電気刺激療法(PNS)  森 聡
  微弱電流刺激療法(MES)①  工藤和善
  微弱電流刺激療法(MES)②  工藤和善
  筋電図バイオフィードバック療法(EMGBF)  中村潤二
  牽引療法  金原一宏
  振動刺激療法  喜多頼広
  衝撃波療法(ESWT)  山田将弘,羽木本宗俊
  ロボットリハビリテーション   前田貴哉
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