CT自由自在

定価 6,050円(税込) (本体5,500円+税)
- B5判 132ページ イラスト50点,写真100点
- 2001年6月29日刊行
- ISBN978-4-89553-929-6
在庫僅少です。
序文
ヘリカルスキャン,マルチスライスと最近のCTの状況は目を見張るものがあります。学会,研究会などでもCTに関する発表は他を圧倒する勢いです。エキスパートにとっては理想的な状況ではありますが,CTの初学者にとっては適当なテキストがないのが現状でした。「ヘリカルスキャン,マルチスライスCTが凄いことはわかるが,難しくて理解できない」そんな意見をよく聞きます。CTの進歩が早くて適当なテキストがないのです。あったとしてもヘリカルスキャン以前のものです。
数年前から日本放射線技術学会中部部会のCT研究会では臨床経験の浅い診療放射線技師に対してビギナーズセミナーを開催してきました。本書はそこで配布したテキストに手を加えて完成したものです。「難しいことは抜きにして本質がよくわかる本にしたい」そんな気持ちで作りました。内容は主に講義ノートをまとめたものです。1ページ1項目。アラカルトタイプの用語集です。どこからでも暇を見つけて読んでいただけるようにしました。いちばん簡単な入門書のつもりで用語の紹介を中心に記述しました。内容は概略説明程度の部分もあり「もっと知りたい」と思われるかもしれません。そんな気持ちになっていただくことが本書の目的です。詳しくは専門誌,学術雑誌などへ進んでください。そこから楽しいCT研究の世界が開けます。
本書の執筆にあたり,『MRI自由自在』の高原太郎先生,メジカルビュー社には多くのご指導を頂きました。本書が多くの初学者のお役に立つことを祈念しております。
2001年5月
辻岡勝美
数年前から日本放射線技術学会中部部会のCT研究会では臨床経験の浅い診療放射線技師に対してビギナーズセミナーを開催してきました。本書はそこで配布したテキストに手を加えて完成したものです。「難しいことは抜きにして本質がよくわかる本にしたい」そんな気持ちで作りました。内容は主に講義ノートをまとめたものです。1ページ1項目。アラカルトタイプの用語集です。どこからでも暇を見つけて読んでいただけるようにしました。いちばん簡単な入門書のつもりで用語の紹介を中心に記述しました。内容は概略説明程度の部分もあり「もっと知りたい」と思われるかもしれません。そんな気持ちになっていただくことが本書の目的です。詳しくは専門誌,学術雑誌などへ進んでください。そこから楽しいCT研究の世界が開けます。
本書の執筆にあたり,『MRI自由自在』の高原太郎先生,メジカルビュー社には多くのご指導を頂きました。本書が多くの初学者のお役に立つことを祈念しております。
2001年5月
辻岡勝美
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目次
I CTとは?
1 X線CTの原理
2 X線CTは何を画像化しているのか
3 X線CTと他の画像装置の違いは?
4 X線CTの歴史
5 スキャン方式の世代分類
6 交互回転方式と連続回転方式
7 CT装置の構成
8 CT装置に要求される条件
9 CT値(HU : ハンスフィールドユニット)
10 ウィンドウ機能
11 スライス感度プロフィール(SSPz)
12 パーシャルボリューム効果(部分体積効果)
13 ビームハードニング(線質硬化)
14 CTの性能評価
15 CTの3つの分解能(空間分解能・コントラスト分解能・時間分解能)
16 空間分解能に関与する要素と改善策
17 コントラスト分解能に関与する要素と改善策
18 時間分解能に関与する要素と改善策
19 スループット(検査処理能力)
20 検出器のオフセット配置(Q-Q方式)
21 シフト機構
22 アーチファクト
23 アーチファクトの解析
24 肩・骨盤の線量不足によるアーチファクト除去
25 ビームハードニング補正
26 ヘリカルスキャン(スパイラルスキャン)
27 展開図による補間法の理解
28 ヘリカルスキャンの補間法(360°補間法)
29 ヘリカルスキャンの補間法(180°補間法・対向ビーム補間法)
30 展開図からCT画像の体軸方向の投影データ範囲を求める
31 展開図からCT画像の投影データの量を求める
32 ヘリカルスキャンによるスライス感度プロフィールの変化
33 きしめん現象(Flat Noodle Phenomenon)
34 マルチスライスCT
35 マルチスライスヘリカルスキャンの補間再構成
36 マルチスライスCTのコーン角とは
37 マルチスライスヘリカルスキャンにおけるヘリカルピッチ
38 展開図からわかるマルチスライスCTの特徴
39 マルチスライスCTのスキャン時間と被曝との関係
40 リアルタイムCT
41 CT透視法・IVR-CT
42 リアルプレップ技術
43 次世代のCT装置
II 実用編
1 X線検査室のレイアウト
2 CT検査の流れ
3 診療放射線技師の業務
4 看護婦(士)の業務
5 書類,パンフレット,掲示物
6 こんな質問,こんな誤解
7 エラー防止のためのチェック事項
8 緊急時(当直時)のCT検査
9 CT検査時の工夫
10 今日からできるペイシェントケア
11 どうしよう,外国人の患者さんだ!
12 フィルム撮影と画像データの保管
III 情報編
1 X線CTのフィルムにはどんな情報が書かれているのか
2 メーカー別テクニカルターム
3 CTに関する学会,研究会,セミナー
1 X線CTの原理
2 X線CTは何を画像化しているのか
3 X線CTと他の画像装置の違いは?
4 X線CTの歴史
5 スキャン方式の世代分類
6 交互回転方式と連続回転方式
7 CT装置の構成
8 CT装置に要求される条件
9 CT値(HU : ハンスフィールドユニット)
10 ウィンドウ機能
11 スライス感度プロフィール(SSPz)
12 パーシャルボリューム効果(部分体積効果)
13 ビームハードニング(線質硬化)
14 CTの性能評価
15 CTの3つの分解能(空間分解能・コントラスト分解能・時間分解能)
16 空間分解能に関与する要素と改善策
17 コントラスト分解能に関与する要素と改善策
18 時間分解能に関与する要素と改善策
19 スループット(検査処理能力)
20 検出器のオフセット配置(Q-Q方式)
21 シフト機構
22 アーチファクト
23 アーチファクトの解析
24 肩・骨盤の線量不足によるアーチファクト除去
25 ビームハードニング補正
26 ヘリカルスキャン(スパイラルスキャン)
27 展開図による補間法の理解
28 ヘリカルスキャンの補間法(360°補間法)
29 ヘリカルスキャンの補間法(180°補間法・対向ビーム補間法)
30 展開図からCT画像の体軸方向の投影データ範囲を求める
31 展開図からCT画像の投影データの量を求める
32 ヘリカルスキャンによるスライス感度プロフィールの変化
33 きしめん現象(Flat Noodle Phenomenon)
34 マルチスライスCT
35 マルチスライスヘリカルスキャンの補間再構成
36 マルチスライスCTのコーン角とは
37 マルチスライスヘリカルスキャンにおけるヘリカルピッチ
38 展開図からわかるマルチスライスCTの特徴
39 マルチスライスCTのスキャン時間と被曝との関係
40 リアルタイムCT
41 CT透視法・IVR-CT
42 リアルプレップ技術
43 次世代のCT装置
II 実用編
1 X線検査室のレイアウト
2 CT検査の流れ
3 診療放射線技師の業務
4 看護婦(士)の業務
5 書類,パンフレット,掲示物
6 こんな質問,こんな誤解
7 エラー防止のためのチェック事項
8 緊急時(当直時)のCT検査
9 CT検査時の工夫
10 今日からできるペイシェントケア
11 どうしよう,外国人の患者さんだ!
12 フィルム撮影と画像データの保管
III 情報編
1 X線CTのフィルムにはどんな情報が書かれているのか
2 メーカー別テクニカルターム
3 CTに関する学会,研究会,セミナー
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CTを自由自在に使える,ニュータイプマニュアル!!
「helical CT」「multi-detector row CT(MD-CT)」の出現に伴い,スキャン時間の大幅な短縮,画像qualityの向上,多断面撮影,さらには3D画像など,有用性の高い画像検査法としての地位を確立しているCTについて,「放射線技師の卵」「若手放射線技師」「研修医」「若手放射線科医」「医学部学生」等,CTに携わる医療スタッフを対象に,CTの基本的な原理・撮影技術から「helical CT」「multi-slice CT」等,最新の話題も含めてCTを自由自在に扱えるテクニックについて,初学者にわかりやすく簡潔・平易に解説した。