OS NOW Instruction No.8

スポーツによる
膝・足関節靱帯損傷の治療

標準および応用手技のコツ&トラブルシューティング

スポーツによる膝・足関節靱帯損傷の治療

■担当編集委員 安田 和則

定価 11,000円(税込) (本体10,000円+税)
  • i_dvd.jpg
  • A4判  196ページ  オールカラー,イラスト300点,写真50点,DVD-Video付き
  • 2008年10月28日刊行
  • ISBN978-4-7583-1007-9

カラーイラストとDVDで膝・足の靱帯損傷の治療法をしっかりマスター!

No.8では「スポーツによる膝・足関節靱帯損傷の治療」をテーマとした。スポーツ整形外科の中でも重要な膝・足の靱帯損傷。これに対する治療法は多様である。靱帯損傷を治し,元のスポーツ活動に復帰するための標準的な手技,そして応用手技について,多数のカラーイラストで一目瞭然に表現している。本文中に「手術のコツ,注意点」「トラブルシューティング」を随所に掲載しているだけでなく,不適切行為など,術中,何気なく起こしてしまいがちな操作に対する注意をイラストでも表現している。
症例などを省き手術手技に特化した「quick reference」項目を11項目設けている。
スポーツによる膝・足の靱帯損傷に対する治療で求められる多彩な情報がこの1冊に集約されている。
今回は全21項目中11項目についてDVDに動画を収載し,より分かりやすく解説している。

■シリーズ編集委員
岩本幸英/安田和則/馬場久敏/金谷文則


序文

 「OS Now Instruction No.8:スポーツによる膝・足関節靱帯損傷の治療–標準および応用手技のコツ&トラブルシューティング」の企画を担当させていただきました。膝・足関節における靱帯の損傷はスポーツ活動によって頻繁に起こり,そのパフォーマンスを著しく低下させます。また交通事故などの高エネルギーで起こる靱帯損傷は複合損傷が多く,ADLに高度の障害をもたらします。これらの靱帯損傷を正しく治療することは,整形外科医にとっての重要な責務の1つです。
 私が整形外科医の研修を始めた当時を思い出しますと,靱帯損傷の治療の重要性はいまだ十分に認識されてはおらず,また有効な手術的治療方法も確立されていませんでした。事実,膝・足関節の靱帯への手術的治療には,関節拘縮などの重篤な合併症を伴うことが稀ではなく,先輩の先生から「関節とは絶対に開けてはならない場所である」と教わることすらありました。またおそらく,「骨折の治癒には完全が求められるが,靱帯損傷はほどほどに治ればよい」と考えていた先生も少なくなかったのではと思い出されます。その後約30年,靱帯損傷の治療は,当時では想像もできなかったような進歩を遂げ,「完全に正常な機能の回復」をその目標に掲げることすら夢ではなくなってきました。この靱帯損傷の手術的治療におけるこの大きな発展は,高木先生および渡辺先生に始まる関節鏡の開発・進歩と,バイオメカニクスを中心とする科学的研究方法の国際的標準化の2つが最大の貢献をしたと考えています。関節鏡の発達によって「開けても見えない場所」における視野の確保が可能になり,正確な手術が可能になりました。またその小さな手術侵襲は,関節安定性と関節可動域の両立を可能にしました。さらに科学的研究方法の国際的標準化によって世界中の研究者の成果を共有できるようになり,効率よく治療を進歩させることができました。この2つに支えられて,まず関節内靱帯の手術的治療にイノベーションが起こり,それに刺激される形で関節鏡を使わない靱帯治療も大きく進歩をしてきたというのがこの領域の歴史であったと思います。
 したがって現在の靱帯損傷の治療を行う整形外科医には,まず関節鏡視下手術に関する高い技量と手術方法の理論に関する詳細な科学的知識の両者を持つことが要求されます。そしてその基本を持った上で,各靱帯に対する手術的治療における実際の手技上のコツを修得することが重要です。一方,どのような優れた整形外科医にもトラブルは起こりえます。万が一のトラブルに的確に対処するためには,種々のトラブルシューティングの知識を持つ必要があります。
 本特集ではこの領域の第一線でご活躍中の専門家に,長年にわたって磨かれた手技の概要とコツ,および万が一のトラブルシューティングについての執筆をお願いしました。この特集の豊富なイラストと動画(DVD)は手技のコツおよびトラブルシューティングをよく理解する補助になると思います。そしてこの特集が読者の皆様の日々の臨床のお役に立つことを願っております。

2008年10月
安田 和則
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目次

膝関節
 新鮮単独・複合靱帯損傷に対する治療戦略と初期治療  福林 徹
 前十字靱帯付着部剥離骨折の手術療法  萩原敬一,ほか
 後十字靱帯付着部裂離骨折の手術療法  井上雅之
 膝蓋腱を用いる前十字靱帯一束再建術(transtibial technique)  石橋恭之,ほか
 屈筋腱を用いる前十字靱帯一束再建術  八木正義,ほか
 遺残組織を温存する前十字靱帯再建術  出家正隆,ほか
 膝蓋腱を用いた解剖学的長方形骨孔前十字靱帯再建術  史野根生
 屈筋腱を用いた解剖学的二重束前十字靱帯再建術  北村信人,ほか
 骨端線閉鎖前の小児に対する前十字靱帯再建術  木村雅史,ほか
 revision前十字靱帯再建術  黒田良祐
 後十字靱帯一束再建術  高橋成夫
 後十字靱帯二重束再建術  遠山晴一
 内側側副靱帯再建術  米谷泰一,ほか
 後外側支持機構再建術  土屋明弘
 重度複合靱帯損傷に対する複合再建術  二木康夫,ほか
 反復性膝蓋骨脱臼に対する内側膝蓋大腿靱帯再建術  宗田 大
足関節
 新鮮外側靱帯損傷の保存療法と手術療法  奥田龍三
 新鮮三角靱帯損傷の保存療法と手術療法  杉本和也
 外側靱帯裂離骨折の保存療法と手術療法  熊井 司
 遊離腱を用いた足関節外側靱帯再建術  大関 覚
 局所材料を用いた足関節外側靱帯再建術  Brostrom-Gould変法  堀内 統,ほか
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