運動器の痛みをとる・やわらげる

現場で使えるペインコントロール

運動器の痛みをとる・やわらげる

■編集 宗圓 聰
紺野 愼一

定価 7,700円(税込) (本体7,000円+税)
  • B5判  352ページ  2色,イラスト30点,写真50点
  • 2012年3月26日刊行
  • ISBN978-4-7583-1043-7

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整形外科でもできる! 現場ですぐに役立つペインコントロールをまるごと解説!!

近年,整形外科の治療において,「疾患を治す」とともに「痛みをなくす」ことがクローズアップされている。他科や類似行為を行う施設との競合,オピオイドや抗けいれん薬の発売などがあり,従来麻酔科で行うことが多かったペインコントールが整形外科でも注目されている。また,手術待機例などの周術期管理においてペインコントロールが導入され,手術を行う整形外科医の関心も高まっている。
本書は薬物療法,運動療法,精神科や他科との連携など,整形外科医が行うことができるペインコントロールの方法(やり方)をわかりやすくくわしく解説した書籍である。


序文

 運動器を扱う医師の多くは疾患そのものの治療を目指してきた。痛みは症状の一つであることから,痛みの治療はあくまでも対症療法であり,それよりも重要な治療目標は疾患において最も重要なアウトカムを抑制することであるとの考え方である。この考え方から,例えば下肢荷重関節の痛みをとることによってかえって関節病変を進行させるとの危惧を持つ医師も少なくないと思われる。一方で,近年の超高齢化社会においては,運動器の加齢という因子を疾患の治療により完全に排除することは困難となってきたことも事実である。
 わが国における慢性疼痛保有者の調査では,2004年の調査で13.4%,2009年の調査で22.9%とされる。両者の慢性疼痛の定義は多少異なるが,慢性疼痛に悩む人が増えているのは明らかであると思われる。そして,重要なことはいずれの調査でも慢性疼痛の多くが運動器の疼痛であることである。慢性疼痛の将来動向をみても,糖尿病に伴う末梢神経障害性疼痛とともに変形性脊椎症,変形性関節症などを含む運動器の慢性疼痛が増加するとされる。locomotive syndromeとともにlocomotive painとそれに伴うADL,QOLの悪化に対しての対処が今後ますます重要になると考えられる。
 これまで,運動器の疼痛に対しては非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が主に使用されてきた。最近,アセトアミノフェンの投与量の上限が引き上げられ,オピオイドが非がん性慢性疼痛の適応で使用可能となり,抗けいれん薬の一つであるプレガバリンが末梢性神経障害性疼痛の適応で使用可能となった。このようにNSAIDs以外にも痛みの治療に使用できる薬剤が増えてきている。当然痛みの治療には,内服剤のみでなく注射剤や非薬物療法もある。
 このような背景から「運動器の痛みをとる・やわらげる」というタイトルで書籍を制作することとし,私と福島県立医科大学の紺野愼一教授の二人で編集させて頂いた。運動器の痛みの種類,この病態・疾患にはこのペインコントロール,くすりで痛みをコントロールする,注射で痛みをコントロールする,メンタルクリニックで痛みをコントロールする,連携して痛みをコントロールする,くすりを使わずに痛みをコントロールする,どこで手術に踏み切るか,の8つの章,98の項目について執筆して頂いた。本書が運動器の痛みを扱う医師に役立てば幸いである。

2012年2月
宗圓 聰
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目次

Ⅰ.運動器の痛みの種類 
痛みの種類と治療薬 紺野愼一

Ⅱ.この病態・疾患にはこのペインコントロール! 
新鮮外傷の痛み 行岡秀和
慢性スポーツ障害の痛み 山田真一,米田 稔
関節リウマチの痛み 橋詰謙三,西田圭一郎
骨粗鬆症の痛み 萩野 浩
肩関節周囲炎の痛み 高岸憲二
変形性膝関節症の痛み 山田治基,早川和恵
変形性股関節症の痛み 園畑素樹,馬渡正明
頚椎症性脊髄症の痛み 稲見 聡,種市 洋
頚椎症性神経根症の痛み 稲見 聡,種市 洋
脊髄損傷後疼痛 笠井裕一
腰部脊柱管狭窄(症)の痛み 大谷晃司
腰椎椎間板ヘルニアの痛み 宮腰尚久
非特異的腰痛 白土 修
脊椎圧迫骨折の痛み 豊根知明
悪性腫瘍(癌の脊椎転移)に関連した痛み 小澤浩司
慢性疼痛 紺野愼一
線維筋痛症の痛み 神谷正人
CRPSの痛み 柴田政彦
痛みの発生メカニズムが説明できない痛み 紺野愼一
待機手術例の痛み 井上 玄,高橋和久
合併症を有する例の痛み 宗圓 聰
高齢者の痛み 鈴木秀典,田口敏彦
小児の痛み 町田治郎
妊娠可能な女性,妊娠中・授乳中の女性の痛み 宮田あかね,村島温子

Ⅲ.くすりで痛みをコントロールする 
NSAIDsの効果からみた選び方,使い方を教えてください 住谷昌彦
NSAIDsの副作用からみた選び方,使い方を教えてください 住谷昌彦
NSAIDsの薬物相互作用について教えてください 川合眞一
NSAIDs外用薬はどのように使用すればよいですか? 川合眞一
アセトアミノフェンはどのように使用すればよいですか? 塚田里香,井関雅子
トラマドール・アセトアミノフェン配合薬の使い方について教えてください 宗圓 聰
リドカインはどのように使用すればよいですか? 増田律子
オピオイドはどのように使用すればよいですか? 山口重樹,北島敏光,Donald R, Taylor
初めてオピオイドを使用する際のポイントを教えてください 井関雅子
抗うつ薬はどのように使用すればよいですか? 住谷昌彦
抗てんかん薬はどのように使用すればよいですか? 二階堂琢也,紺野愼一
PGE1はどのように使用すればよいですか? 川上 守
抗不安薬はどのように使用すればよいですか? 西原真理
Ca2+チャネルα2δリガンド(プレガバリン)はどのように使用すればよいですか? 柴田政彦
筋弛緩薬はどのように使用すればよいですか? 織田弘美
漢方薬はどのように使用すればよいですか? 岩渕真澄,白土 修,富永亮司,三潴忠道
エルシトニン,ノイロトロピン,カプサイシン入り貼付薬などはどのように使用すればよいですか? 大谷晃司
ステロイドはどのように使用すればよいですか? 木村友厚

Ⅳ.注射で痛みをコントロールする 
ステロイド関節内注入について教えてください 木村友厚
ヒアルロン酸関節内注入について教えてください 山田治基,早川和恵
トリガーポイント注射について教えてください 鈴木秀典,田口敏彦
硬膜外ブロックについて教えてください 岩渕真澄,白土 修,富永亮司
神経根ブロックについて教えてください 大鳥精司,高橋和久
腰部交感神経ブロックについて教えてください 矢吹省司
星状神経節ブロックについて教えてください 矢吹省司
ペインクリニックではどのように注射をしているのですか? 飯田宏樹

Ⅴ.メンタルクリニックで痛みをコントロールする 
慢性疼痛に対してメンタルクリニックではどういう治療方針をとりますか? 関口美穂,紺野愼一
集学的治療とはどのようなものですか? 村上孝徳,山下敏彦
プラセボ効果とはどのようなものですか? 矢吹省司
BS-POPとはどのようなものですか? 佐藤勝彦
身体表現性障害の診断と治療方針について教えてください 本谷 亮,丹羽真一
認知行動療法はどのように行っているのですか? 笠原 諭

Ⅵ.連携して痛みをコントロールする 
病診連携のありかたを教えてください 青田恵郎
ロコモティブシンドロームにはどう対処すべきですか? 竹下克志
診断サポートツールについて教えてください 井上 玄,高橋和久
リエゾン療法について教えてください 二階堂琢也,紺野愼一
循環器疾患を見逃さないコツはなんですか? 池田隆徳
呼吸器疾患を見逃さないコツはなんですか? 三輪千尋,小山信一郎
消化器疾患を見逃さないコツはなんですか? 加藤 順,一瀬雅夫
内分泌疾患を見逃さないコツはなんですか? 坂根直樹
血液疾患を見逃さないコツはなんですか? 新津 望
神経内科疾患を見逃さないコツはなんですか? 佐々木貴浩,荒木信夫
原発性骨腫瘍を見逃さないコツはなんですか? 佐々木政興,向井博文
転移性骨腫瘍を見逃さないコツはなんですか? 守田哲郎
婦人科疾患を見逃さないコツはなんですか? 渡辺尚文,藤森敬也
心臓血管外科疾患を見逃さないコツはなんですか? 真鍋 晋
脳神経外科疾患を見逃さないコツはなんですか? 深谷 親,山本隆充,片山容一
耳鼻科疾患を見逃さないコツはなんですか? 山口展正
泌尿器科疾患を見逃さないコツはなんですか? 鈴木康之

Ⅶ.くすりを使わずに痛みをコントロールする 
運動療法はどのように行うのですか? 橋爪 洋,
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