骨折 プレート治療マイスター

骨折 プレート治療マイスター

■編集 澤口 毅

定価 19,800円(税込) (本体18,000円+税)
  • B5変型判  364ページ  オールカラー,イラスト480点,写真300点
  • 2012年5月24日刊行
  • ISBN978-4-7583-1044-4

骨折プレート治療の巨匠へ

骨折は整形外科における一大テーマであり,なかでもプレートを使用した骨折治療は,固定力の高いロッキングプレートの登場以降,症例数・適応ともに増大している。
本書ではとくにプレート治療の頻度が高い骨折を部位別に列挙し,基礎的な知識(解剖・読影・整復など)とプレート治療において最も大切な「プレートをどこに置くか」「固定用のスクリューをどこにどの向きで入れるか」などの手技を精緻なイラストと共に詳説する。
本書は治療の現場にいる医師すべてに,訴求力のある「骨折のプレート治療」を徹底解説した,本分野におけるスタンダードである。


序文

 骨折治療の目的は損傷された四肢機能を早期に回復し,一日も早く受傷前の社会生活に復帰させることにあります。もちろん保存的治療により良好な結果の得られる骨折も少なくありませんが,多くの骨折では観血的整復内固定を必要とします。骨折治療における金属プレートを用いた内固定は19世紀終わりころから行われるようになり,当初は破損や腐蝕のため惨憺たる結果であったものが,金属材料の進歩により材料による問題はほぼなくなりました。一方,固定の概念としては,単なる内副子からEggersのslotted plateを用いたdynamic compression,さらにDanisに始まるcompression plateによるprimary bone healingとそれを発展させた1950年代からのAO グループのcompression plateと進歩してまいりました。しかし軟部組織を軽視し力学的固定に重点を置いたために,感染や骨癒合不全を生じることが問題となり,1980年代後半からは軟部組織を愛護的に扱う重要性が認識され,さらにMIPO(minimally invasive plate osteosynthesis)法が行われるようになりました。またlocking plateの登場により,骨の血行温存と安定した固定を行えるようになりました。特に高齢者骨折では骨脆弱性のため以前には固定が困難であった骨折の固定が可能になり,安定した固定と早期後療法が行えるようになり著しい成績の向上が得られています。現在では各部位ごとに数多くのanatomical plateが開発されています。
 本書では各部位のプレート固定に関してエキスパートの先生方に豊富な経験と工夫に基づいて,プレート固定の適応,局所解剖,各プレートの特徴,骨折分類,画像診断と読影のポイント,手術体位,手術アプローチ,整復と固定のコツ,後療法,合併症予防について詳述いただきました。多くの先生が述べておられるように骨折状態の正しい評価を行い,術前計画をしっかりと立てて,解剖を熟知して手術を行うことが成功の鍵です。また軟部組織の状態をしっかり評価して,状態が不良な場合には創外固定などを用いて軟部組織の回復を待ってから手術を行うことも重要です。低侵襲手術は決して皮切の小ささではなく,軟部組織への侵襲を少なくすることが重要で,必要に応じて十分な皮切を行うことも安全に手術を行う上で大切です。またlocking plateは全てのプレート固定に必要なものではなく,その利点を理解して用いる必要があります。本書はプレート固定に関する実践的マニュアルです。皆様には本書を活用され髄内釘固定とともに骨折治療を行っていただけることを期待しております。最後に多忙な中,執筆いただいた先生方に厚くお礼申し上げます。

2012年4月
澤口 毅
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目次

上肢
 鎖骨骨折 伊藤貴明
 上腕骨近位部骨折 塩田直史
 上腕骨骨幹部骨折 小林 誠
 上腕骨遠位端骨折 松村福広
 肘頭骨折  澤泉卓哉
 橈骨頭骨折  澤泉卓哉
 前腕骨骨幹部骨折 中村誠也
 橈骨遠位端骨折 河村健二ほか
 手指の骨折  大井宏之

体幹
 仙骨骨折  白濵正博
 仙腸関節プレート固定法  澤口 毅
 寛骨臼骨折  鈴木 卓ほか

下肢
 大腿骨近位部骨折(転子部骨折) 正田悦朗
 大腿骨骨幹部骨折 大塚 誠
 大腿骨遠位部骨折 小川健一
 脛骨近位部骨折 前 隆男
 脛骨骨幹部骨折 野田知之
 脛骨遠位部骨折(Pilon骨折) 長野博志
 足関節骨折(果部骨折)  長野博志
 踵骨骨折  佐藤 徹ほか
 足の骨折  佐藤昌明
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