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子宮内膜症,子宮腺筋症 こんなときどうする?

難易度の高い手術を安全,確実に行うための基本手技マスター

子宮内膜症,子宮腺筋症 こんなときどうする?

■担当編集委員 櫻木 範明

定価 13,200円(税込) (本体12,000円+税)
  • A4判  152ページ  オールカラー,イラスト100点,写真100点
  • 2012年11月2日刊行
  • ISBN978-4-7583-1211-0

産婦人科医として必ず知っておきたい「子宮内膜症」「子宮腺筋症」の手術について,エキスパートが詳細に解説

No.12では子宮内膜症,子宮腺筋症を取り上げている。
経験豊富な術者による“手術のコツと注意点”を中心に,豊富なイラストでわかりやすく解説しており,手術手技の向上に役立つ1冊である。
本疾患は不妊の原因となったり,また強い月経困難症,慢性骨盤痛を生じさせて,女性のQOLを大きく損う疾患であり,従来,根治的治療は子宮全摘術および両付属器摘出術とされてきたが,生殖年代の女性に多く発症するため,近年では保存的治療が必要とされることも多い。本書は産婦人科医にとって注目すべき疾患である子宮内膜症,子宮腺筋症の手術法を,ニーズに合わせてさまざまなアプローチで紹介しており,経験を積んだ医師にとっても,非常に有用な書籍となっている。

■シリーズ編集委員
平松祐司/小西郁生/櫻木範明/竹田 省


序文

 子宮内膜症や子宮腺筋症は非常にポピュラーな疾患であり,不妊の原因となったり,強い月経困難症,慢性骨盤痛の原因となって女性のQOLを大きく損なう疾患である。産婦人科専門医をめざして研修中の専攻医も,早々に治療にかかわることが多いと考えられる。
 従来,根治的治療は子宮全摘術および両付属器摘出術とされてきたが,生殖年代の女性に発症することが多く,保存的治療が必要とされる場面にもしばしば遭遇する。また子宮内膜症性卵巣囊胞(卵巣チョコレート囊胞)は卵巣癌を続発することがあり,良性疾患とはいえ油断できない。卵巣チョコレート囊胞の保存的治療にあたっては,術前の詳細な画像診断により卵巣癌の合併の有無に十分留意する必要がある。
 子宮内膜症によって,子宮と卵巣や子宮周辺の臓器に強固な癒着を起こし,解剖学的位置関係が正常な状態から大きく変化していることが多く,手術の実際にあたっては直腸や尿管など他臓器の不慮の損傷をさけるように注意しなければならない。手術の基本は,正常の解剖学的位置関係を念頭に置きながら,カウンタートラクションにより剥離すべき組織間を緊張させること,抵抗の少ない部分から癒着剥離操作を始めること(いきなり最も癒着の強い部位に挑むことは避ける),丁寧な止血と剥離操作に心がけること,これらの操作により骨盤内臓器を本来の解剖学的位置関係に戻すことである。
 頻度の多い疾患であり,安全に確実な手術を行うために,その手術全体の進め方についての戦略の立て方と基本的手術手技について十分にマスターしてほしいと思う。本書ではこの道のエキスパートの先生が豊富な図譜と写真を用いて懇切丁寧に解説してくれている。きっと皆様が子宮内膜症・子宮腺筋症の手術において必要とする知識を提供し,日常の疑問に答えてくれるものと思う。

2012年10月
櫻木範明
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目次

子宮内膜症病変の進行度評価  北脇 城
子宮内膜症の術前画像診断  富樫かおり
子宮内膜症に対する薬物療法と手術療法の上手な使い方  都築たまみほか
子宮周囲の強度癒着を認める際の単純子宮全摘術のために
 Aldridge術式野田変法  渡部 洋ほか
深部子宮内膜症 腹腔鏡下手術
 ダグラス窩腹膜切除から直腸・腟間腔内膜症除去術  工藤正尊ほか
ダグラス窩閉鎖子宮内膜症に対する子宮全摘術(開腹手術)  寺尾泰久ほか
腹腔鏡下卵巣チョコレート嚢胞摘出術  出浦伊万里ほか
卵巣子宮内膜症性囊胞(卵巣チョコレート囊胞)の核出術(開腹手術)  鎌田泰彦ほか
卵巣子宮内膜症のアルコール固定術,内壁焼灼術  藤井俊策ほか
性器外子宮内膜症の治療(尿路,外陰,腹壁など)  平田哲也ほか
性器外子宮内膜症の治療(腸管,肺など)  北出真理ほか
子宮筋3重フラップ法による子宮腺筋症摘出術  長田尚夫
子宮腺筋症に対する子宮温存手術(電気メス,高周波による方法)  平松祐司
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