OGS NOW basic 6

不妊治療の外科的アプローチ

妊娠を目指して

不妊治療の外科的アプローチ

■担当編集委員 竹田 省

定価 11,000円(税込) (本体10,000円+税)
  • i_movie.jpg
  • A4判  212ページ  オールカラー,イラスト200点,写真150点,Web動画60本/188分
  • 2021年5月3日刊行
  • ISBN978-4-7583-1986-7

外科的治療にて改善できる不妊の原因疾患を解剖から具体的な手術手技まで解説!

若手産婦人科医を対象に「基本的に身につけなければならない手技」を解説し,“十分な理解に基づく手術”をマスターできる実践的シリーズ。緻密で美しいイラストにより読むだけで手術をシミュレートできるビジュアル重視の紙面に加え,スマートフォン等でアクセスできる本文とリンクした動画をストリーミング配信。解説は簡潔かつ初心者フレンドリーで,今さら聞けないような事柄についても丁寧に記載し,助手などの補助的な立場の手術参加者にもより役立つ作りとしている。
第6巻では,不妊原因のなかで外科的治療にて改善できる疾患につき,解剖から具体的な手術手技までを解説。そのほか,不妊治療にかかわる医師として知っておきたい卵巣凍結・移植や男性不妊なども紹介している。

■シリーズ編集委員
平松祐司/竹田 省/万代昌紀/小林裕明


序文

OGS NOW basicの刊行にあたって

 この度,産婦人科手術書OGS Now の姉妹編としてOGS NOW basic を刊行することになりました。OGS Nowはわかりやすいイラストを用い,各手術のストラテジー,コツ,ピットフォールなどの項目を設け,従来の手術書の行間に書かれていた内容を解説してもらいました。これは,より安全な術式を効率よくマスターしてほしいとの思いからでた発想であり,2010年から2015年にかけて全24 巻発刊し,今も多くの先生方に愛読していただいております。
 今も昔も,多くの産婦人科手術に対するストラテジーには大きな変化はありませんが,この10 年間に腹腔鏡手術やロボット手術が急速に発展し,パワーデバイスや周術期管理なども年々進歩してきています。このような現況を踏まえ,OGS NOW は継続して刊行していきながら,それをさらに補い,主に卒後10 年位までの若い先生を対象とした手術入門書として,up-to-dateな内容を盛り込み,基本的な術式をよりわかりやすく解説する書籍としてOGS NOW basicを発刊することにしました。
 本シリーズでは,OGS NOWの編集方針は継承しつつ,次のような編集方針で企画していきます。
1)卒後10年位までの若い先生を主たる対象とする。
2) 難易度の高い手術は「OGS NOW」を参照してもらい,難しいテーマはできるだけ取り扱わない。
3)その手術に必要な解剖知識を記載する。
4)各操作の理解を助けるために必要な短い動画をつける。
4)麻酔や合併症対策も記載する。
 多くのup-to-dateな内容を取り入れていくと同時に,鏡視下手術で得られる画像,解剖を掲載しますのでベテランの先生方にも役立てていただけるものと思っています。
 手術はScienceを基盤にしたArt です。本シリーズではこのtechnical skillをわかりやすく解説します。また,よい外科医と呼ばれるのにはtechnical skill に加え,non-technicalskillを備えておく必要があります。これについてもコラム等で可能な限り伝えていきたいと考えています。
 OGS Now 全24 巻とともに,年4冊発刊予定であるOGS NOW basicも手元においていただき,手術前後に必ず該当項目を読んで修練し,手術の達人そしてbest Surgeonを目指してほしいと思います。

2020年3月吉日
編集委員 平松祐司 岡山市立総合医療センター顧問,岡山大学名誉教授
竹田 省 順天堂大学医学部産婦人科学講座特任教授,母子愛育会愛育研究所所長
万代昌紀 京都大学医学研究科婦人科学産科学分野教授
小林裕明 鹿児島大学大学院医歯学総合研究科生殖病態生理学教授

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序文

 産婦人科領域において治療戦略が最も大きく変化してきたのは生殖医療の分野であろう。Assisted Reproductive Technology(ART:生殖補助技術)の新技術の開発,研究が進み,以前とは比べものにならない成果を上げている。配偶子のみならず免疫細胞を含む子宮内膜組織などがかかわる受精,着床,妊娠維持機構の様々な生理・病態機序が解明されつつあり,不妊症・不育症の病態別の治療法も検討されるようになってきた。また,精子凍結,未受精卵・受精卵凍結保存,卵巣保存,子宮移植などさまざまな技術,手技の進歩により,治療法や治療時期にも選択肢が広がっている。
 一方で女性の社会進出,晩婚化,少産少子化など女性を取り巻く社会情勢が劇的に変化し,その結果,医療にかかわるさまざまな問題も湧き上がっている。産科領域では高齢出産の増加により,年齢上昇と関連する前置胎盤,常位胎盤早期剥離や妊娠高血圧症候群の合併頻度が増加し,帝王切開率も上昇している。生殖医療では挙児希望年齢の高齢化に伴い不妊原因としてまた治療選択上でも問題となる子宮筋腫や子宮腺筋症,子宮内膜症の合併が,増加している。時期が限られる妊娠・出産を女性のライフサイクルのどの時期に想定するか,あらかじめイメージをもつように学校教育や婦人科外来で指導することは,我々の重要な役割である。さらに不妊治療の経済的支援や就労支援,育児支援事業など行政への働き掛けも急務である。
 今回,このような社会情勢を考慮し不妊治療における外科的治療や手技について焦点を絞り,OGS NOW basic シリーズの No.6として取り上げ,「不妊治療の外科的アプローチ 妊娠を目指して」と題してお届けする。若い人達に不妊治療の外科的手技や妊娠を目指す癒着の少ない婦人科手術の注意点,産科異常や合併症を低減する手術手技,デバイスの使用法などにも踏み込んでその道のエキスパートにわかりやすく解説いただいた。高度な技術や難しい操作などはOGS NOWシリーズを見ていただき,本シリーズと合わせて参照して頂きたい。初心者から熟練者まで幅広い読者の参考になれば幸いである。

2021年4月
竹田 省
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目次

不妊症における外科的治療   大須賀 穣
外科的不妊治療に必要な解剖知識  小野政徳 ほか
術前評価と手術の選択   黒田恵司
不妊治療のための手術の麻酔法(採卵・腹腔鏡手術)  須賀芳文 ほか
卵管閉塞(内視鏡下卵管形成術)  田中 温 ほか
卵管留水症(腹腔鏡下卵管開口術,ART前の卵管摘出術)   福井淳史
良性卵巣腫瘍(腹腔鏡手術)  大須賀 穣 ほか
多嚢胞性卵巣症候群(腹腔鏡下卵巣表面多孔術)  柳原里江 ほか
子宮筋腫(腹腔鏡手術)   熊切 順
粘膜下筋腫,ポリープ(子宮鏡手術)  林 保良 ほか
diffuse leiomyomatosis(子宮筋腫核出術)   平松祐司
卵巣チョコレート嚢胞(腹腔鏡手術)  平石 光 ほか
深部子宮内膜症 (腹腔鏡下深部子宮内膜症病巣摘出術)   北出真理
子宮腺筋症(子宮腺筋症核出術)   西田正人
子宮腺筋症(腹腔鏡補助下手術)   楠木 泉
異所性妊娠  藤下 晃 ほか
帝王切開瘢痕症候群   谷村 悟
子宮形態異常(双角子宮,中隔子宮)(開腹による子宮形成術)   西田正人
子宮形態異常(中隔子宮)(子宮鏡手術)   丸山正統
Asherman症候群[子宮鏡下子宮内腔癒着切除術(癒着剥離術)]   齊藤寿一郎
頸管狭窄・閉鎖(円錐切除後,頸管低形成)  藤野一成 ほか
腟無形成,腟中隔,処女膜閉鎖  大科恭子 ほか
卵巣凍結保存・卵巣移植(In Vitro Action; IVA)  田中佑佳 ほか
子宮移植  木須伊織 ほか
男性不妊  辻村 晃 ほか
ノンテクニカルスキルを学ぶ 手術における相互支援   平松祐司
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