がん研スタイル 癌の標準手術

肝癌

肝癌

■編集 齋浦 明夫

定価 13,200円(税込) (本体12,000円+税)
  • A4判  208ページ  オールカラー,イラスト183点,写真32点
  • 2014年3月3日刊行
  • ISBN978-4-7583-1508-1

がん研有明病院で行われている癌の標準手術(がん研スタイル)を,豊富なイラストで解説

「がん研有明病院」で行われている肝癌の標準手術(がん研スタイル)を,手術手順に沿って,各場面でのポイントをイラストで示しながら手技上の注意点・コツをわかりやすく解説。癌の基本的な手技を学ぼうとする若手外科医にとっては,どこにいても現在トップレベルの癌専門施設での手技が学べる書籍である。

■シリーズ監修
山口俊晴


序文

 肝切除の技術において日本の外科医が果たした役割は非常に大きく,本庄一夫先生による世界初の肝右葉切除に始まり,幕内雅敏先生による術中超音波と系統肝切除,高崎 健先生によるグリソン一括処理など,我が国の偉大な先達が築いた礎の上に基本的な手術手技が確立されました。現在では出血量も少なく安全に施行できるようになり,専門施設のみならず多くの病院で行われるような,外科医であれば習得すべき手術となりました。
 しかし,他の消化管手術に比べ手術件数は少なく,また大出血などの致命的な危険性を有するのが肝切除です。その原因のほとんどは安全な肝切除の基本を理解していないか無視したことです。安全な肝切除において最も重要なことは,出血コントロールと正確な解剖の理解です。そのためには良い視野でしっかり術野を展開して手術を行うことや,肝離断の際は血流遮断を行うなど基本的肝切除の“いろは”があります。多くの肝癌はこれら基本的肝切除の手技をマスターすれば切除可能です。
 がん研病院肝胆膵外科では,消化管手術などの一般外科の研修を終えた卒後5年から10年目くらいの若手外科医が研修に来ます。「がん研スタイル 癌の標準手術 肝癌」では,当院で日常的に行われている手術方法につき書きましたが,若手の先生が術者として行う肝切除を指導していく中で共通する間違いやすいポイントをわかりやすく解説しました。肝離断の際に使用する器具の違いなど細かな部分での異同はあると思いますが,肝切除に共通する重要なポイントは同じだと思います。
 本書は,肝臓外科専門外の先生方にも,手術の前に予定されている術式の章を一読いただき予行演習ができるよう,それぞれの章で独立して読んで理解できるように作りました。また,イラストを多く用いておりますが,術者の頭の中のイメージをより具体的に伝えることができるものと考え,採用しました。写真では表現できない“見えていない”血管の走行や術者の意識は,術者の電気メスや鉗子による剥離の方向や強さに影響を与えるものです。肝切除に伴う事故のほとんどはこのような“見えていない”ものに対する意識の不十分さによるものだと感じております。
 安全な肝切除が広く普及し,一人でも多くの患者さんを救うことをすること,そして本書がその一助となることを心より祈念しております。

2014年1月
齋浦明夫
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目次

Ⅰ. 総論
  1. 肝切除の術前管理  竹村信行
  2. 肝術前シミュレーション  小野嘉大
  3. 肝切除の麻酔  大里彰二郞
  4. 肝切除の術後管理  吉岡龍二
  5. 門脈枝塞栓術  井上陽介
 
Ⅱ. 手術手技
 ■共通手技
  1. 体位,皮切,アプローチ–基本手技  森村 玲
  2. 術中超音波  有田淳一
  3. 肝授動  吉岡龍二
  4. 肝離断  齋浦明夫
  5. 止血,ドレーン留置,閉創  小野嘉大
  6. とっさの出血にどう対応するか  有田淳一
 ■手技各論
  1. 右肝切除  小野嘉大
  2. 後区域(右外側領域)切除  竹村信行
  3. 右前区域切除  野呂拓史
  4. 右3区域切除  竹村信行
  5. 左外側区域切除  西川 誠
  6. 左肝切除  高橋道郎
  7. 左3区域切除  吉岡龍二
  8. 尾状葉切除  有田淳一
  9. 右肝系統的切除(S8)  井上陽介
  10. 左葉亜区域切除  岸 庸二
  11. 超音波ガイド肝部分切除  小野嘉大
  12. 肝腫瘍核出術  高橋道郎
 ■その他
 腹腔鏡下肝部分切除
  1. 腹腔鏡下肝外側区域切除  齋浦明夫
  2. 腹腔鏡下肝部分切除  古賀倫太郎
 血管合併肝切除
  3. 肝静脈再建 肝切除(再建の適応と手技)  齋浦明夫
  4. 下大静脈合併切除  古賀倫太郎
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