消化器外科専門医 必携問題集

知識のself assessment

消化器外科専門医 必携問題集

■編集 白石 憲男
河野 洋平
二宮 繁生

定価 6,050円(税込) (本体5,500円+税)

専門医受験対策などに役立つ,消化器外科医のための知識の実践問題集!

消化器外科専門医受験をはじめ,専門医更新時やチームでの勉強会など,さまざまな場面で知識の自己学習に役立つ問題集。
新カリキュラム基準に適合して,約160項目のテーマそれぞれにオリジナル問題(総数 859問)を掲載。解いた結果を記録したり学んだ知識をメモ欄に記入していくことで,自分用にカスタマイズして効率よく学習を進められる。また,好評の既刊書『消化器外科専門医へのminimal requirements 改訂第2版』とリンクしているので,さらに詳しい解説を参照することもできる。
タブレット端末等で書籍と同様に問題を解くことができるWeb問題集付き。


序文



 消化器外科医に求められる知識が年々増加している。
 今から8 年前,若き消化器外科医たちが勉強しやすいテキストブックを世に送ることを目的として,『消化器外科専門医へのminimal requirements』を出版した。当時,7 名の同僚と日本消化器外科学会の専門医試験(公表過去問題)を解析し,専門医に要求される知識を分析した日々を思い出す。膨大な仕事であったが,本書が多くの方に利用していただいていると聞き喜んでいる。
 これまで,日本消化器外科学会も,若き消化器外科医たちの教育や育成に尽力してきた。学会活動,教育集会,e-learning,昨年出版された『消化器外科専門医の心得(2020 年度版)』など,素晴らしい活動を行っている。日本の消化器外科医が世界で評価されているのは,先輩方のご努力と学会による教育活動の賜物かもしれない。
 一方,医師は生涯,自己研鑽しながら成長していくといわれている。消化器外科医も同様である。消化器外科専門医を取得し数年が過ぎてしまった外科医は,日常診療の他に学会活動と5 年毎の更新の際に受講する学会主催のe-learning で知識をブラッシュアップしている。先日,専門医を取得したばかりの後輩と話をしていると自分の知識の古さと少なさに赤面してしまった。専門医試験を受けた頃の系統だった多くの知識が色あせている。アメリカでは,生涯教育の一環として専門医更新時の勉強にセルフアセスメント問題集を用いることが多いと聞く。専門医取得のみならず,更新の度に自己評価を行い研鑽しているようである。
 本書は,消化器外科専門医試験の受験や専門医更新の際に効率よく自己評価を行い,自分の苦手な分野を認知することができることを目的とした問題集(セルフアセスメント集)である。以前出版した『消化器外科専門医へのminimal requirements』をベースとし,近年学会から刊行された教本や各種教科書・ガイドライン等を参考にして問題作成を行った。その結果,合計859 題の問題集となった。本書を利用し,ご自分の弱点を克服して,さらなるスキルアップに役立てていただければ幸いである。
 最後に,本書の趣旨に同意し,情熱を失わず,最後まで問題作成をしてくれた著者の同僚外科医5 名に感謝します。また,事務業務を担当してくれた秘書の中島里奈さん,木下鈴奈さんに心から感謝します。最後に,本書を出版していただいたメジカルビュー社編集部の吉田富生氏,宮澤進氏,長沢慎吾氏,小澤祥子氏に心から感謝申し上げます。

令和3 年3 月吉日
編者 白石憲男
   河野洋平
   二宮繁生
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目次

総論
1. 消化器外科的診断法・検査法
 (1)消化器癌における画像診断の行い方
 (2)緊急内視鏡検査の適応と禁忌,内視鏡の滅菌法,患者モニタリング法
2. 消化器外科基本手技・処置
 (1)消化管吻合法の基本
3. 術前・術後管理と合併症
 (1)術前の全身機能評価
 (2)静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症と肺塞栓症)
 (3)高血糖高浸透圧症候群(非ケトン性高浸透圧昏睡)
 (4)胃切除後障害
 (5)大腸切除の周術期管理
 (6)ストーマの位置決めとケア
 (7)透析患者の周術期管理
 (8)術前・術後の呼吸管理(開胸術を中心に)
4. 外科とリスクマネージメント
 (1)クリニカルパスの目的と効果
 (2)チーム医療とキャンサーボード
 (3)医療事故とその予防・対策
 (4)医療過誤・紛争・訴訟に対するマネージメント
 (5)医療倫理と医療保険
5. 救急外科・急性腹症
 (1)腹部外傷による腹腔内出血と臓器損傷
 (2)輸血
6. ショック
 (1)敗血症性ショックの病態
7. 侵襲学と生体反応
 (1)炎症性サイトカインと抗炎症性サイトカイン
 (2)外科的侵襲に対する生体反応
8. 出血・止血・輸血
 (1)凝固検査と凝固異常
 (2)下血の原因疾患
9. 損傷と創傷治癒
 (1)創傷治癒過程と促進・阻害因子
10. 無菌・滅菌
 (1)消化器外科関係の消毒法(消毒水準)と消毒薬
11. 外科感染症
 (1)SSI(危険因子・予防法)
 (2)臨床で注意したい感染症(フルニエ壊疽,偽膜性腸炎など)
 (3)主な抗菌薬の基本事項
 (4)特殊な細菌による感染症
12. 腫瘍
 (1)癌の疫学
 (2)癌の生物学:癌細胞の特徴・癌種別特徴・悪液質
 (3)腫瘍マーカー(陽性の癌種と偽陽性の原因)
 (4)後腹膜腫瘍
 (5)放射線治療(機序と効果)
 (6)癌治療における臨床試験
13. 化学療法
 (1)消化器癌に対する化学療法の適応と作用機序,効果判定法
 (2)抗癌薬の副作用(有害事象)
 (3)分子標的治療薬(機序と有害事象)
14. 消化器外科と免疫
 (1)腫瘍免疫と抗腫瘍免疫
 (2)腸管免疫とグルタミン
15. 代謝・栄養
 (1)消化器外科代謝・栄養の基本
 (2)周術期ならびに消化器疾患に対する栄養管理
 (3)消化管ホルモン
 (4)中心静脈栄養
16. 消化器外科と分子生物学
 (1)遺伝子変異(癌遺伝子,癌抑制遺伝子)と遺伝子多型
 (2)消化器外科領域の分子生物学的トピックス
17. 臓器移植
 (1)臓器移植の適応と除外基準
18. 内視鏡外科
 (1)腹腔鏡下手術(二酸化炭素気腹の注意点)
19. 緩和ケア
 (1)緩和ケア全般について
 (2)がん疼痛
20. その他
 (1)消化管運動
 (2)消化器外科医が知っておくべき統計の基礎

各論
Ⅰ 食道
 1. 解剖
  (1)食道走行と隣接臓器との位置関係および食道の先天異常
  (2)食道の解剖と食道憩室
 2. 検査・診断法
  (1)食道の一般的な検査法
  (2)食道機能検査(食道内圧測定・24 時間pH 測定・透視・内視鏡検査)
 3. 手術手技
  (1)食道手術と適応
  (2)食道癌手術手技において留意すべき点
  (3)食道切除後の再建術式とその特徴
 4. 良性疾患
  (1)食道裂孔ヘルニア
  (2)逆流性食道炎とバレット食道
  (3)特発性食道破裂とMallory-Weiss 症候群
  (4)食道アカラシア
  (5)食道ウェブ(Plummer-Vinson 症候群を中心に)
  (6)食道粘膜下腫瘍(食道良性腫瘍)
 5. 悪性腫瘍
  (1)食道癌の疫学
  (2)食道癌の組織型と深達度
  (3)食道癌のリンパ節転移とリンパ節郭清
  (4)食道癌の周術期管理と術後合併症
  (5)食道表在癌(診断・治療)
  (6)進行食道癌(画像診断・サルベージ手術・予後因子・NAC)

Ⅱ 胃
 1. 胃の解剖・発生・生理
  (1)胃の解剖・発生・生理
 2. 検査・診断法
  (1)胃癌に対する検査・診断法
 3. 手技
  (1)『胃癌取扱い規約』の表記と手術に関する臨床研究
  (2)胃切除後の再建術と幽門形成術
 4. 良性疾患
  (1)胃粘膜下腫瘍の鑑別診断
  (2)消化性潰瘍と吻合部潰瘍
  (3)胃MALT リンパ腫とピロリ菌
 5. 悪性腫瘍
  (1)胃癌の発生(多発・発生母地など)
  (2)胃癌の特殊な組織型
  (3)早期胃癌に対する治療
  (4)進行胃癌に対する診断・治療(遠隔転移も含む)
  (5)スキルス胃癌に対する診断・治療
  (6)食道胃接合部癌に対する診断・治療
  (7)胃癌の化学療法
  (8)胃神経内分泌腫瘍(NET)
  (9)胃GIST
  (10)胃悪性リンパ腫
 6. その他
  (1)胃癌術後のフォローアップと胃切除後障害

Ⅲ 小腸
  (1)腸閉塞症(原因・診断・治療・予防)
  (2)小腸腫瘍

Ⅳ 大腸
 1. 解剖・発生・生理
  (1)大腸手術で問題となる血管・神経(1)
  (2)大腸手術で問題となる血管・神経(2)
  (3)大腸手術で問題となる血管・間膜
 2. 検査・診断法
  (1)大腸癌の内視鏡検査による深達度診断
 3. 手術手技
  (1)直腸手術の術式
 4. 良性腫瘍
  (1)遺伝性大腸腫瘍
 5. 悪性腫瘍
  (1)大腸癌の基礎知識
  (2)早期大腸癌の診断と治療
  (3)切除可能な進行大腸癌の診断と治療
  (4)Stage…Ⅳの大腸癌に対する治療方針
  (5)大腸癌に対する標準的な化学療法と分子標的治療
  (6)局所進行直腸癌に対する放射線治療
  (7)大腸癌再発の診断と治療
  (8)直腸癌の治療方針(リンパ節郭清と術式)
  (9)遺伝性大腸癌(FAP とLynch 症候群)
  (10)痔瘻癌
  (11)直腸GIST
  (12)直腸神経内分泌腫瘍(NET)
  (13)大腸…腸閉塞症の治療
 6. 炎症性疾患
  (1)炎症性腸疾患総論
  (2)潰瘍性大腸炎
  (3)クローン病
  (4)虚血性腸炎
  (5)その他の腸炎(偽膜性腸炎,閉塞性腸炎,感染性腸炎,腸結核)
 7. その他
 (1)大腸憩室症
 (2)結腸軸捻転症
 (3)肛門疾患(痔核,裂肛,痔瘻)
 (4)腸閉塞症状をきたす小児外科疾患
 (5)その他知っておくべき大腸関連の専門用語

Ⅴ 肝臓
 1. 解剖
 (1)肝臓の解剖
 2. 検査・診断法
 (1)術前血液検査と肝予備能評価
 (2)肝臓の腫瘍マーカーと画像診断
 3. 手技
 (1)系統的肝切除・門脈枝塞栓術
 (2)肝切除術における合併症の予防
 (3)腹腔鏡下肝切除術
 (4)肝切除術における血行再建
 4. 良性腫瘍
 (1)肝血管腫(Kasabach-Merritt 症候群を含む)
 (2)肝良性腫瘍の画像上の特徴
 5. 悪性腫瘍
 (1)肝細胞癌とその類似疾患
 (2)肝細胞癌の疫学と画像診断
 (3)肝細胞癌に対する治療方針と治療成績
 (4)混合型肝細胞癌と胆管細胞癌
 (5)転移性肝癌の診断と治療
 6. 炎症性疾患
 (1)肝膿瘍の治療
 7. その他
 (1)肝内結石の疫学・病因・手術適応
 (2)腹部外傷の診断と治療(実質臓器を中心に)
 (3)肝移植の適応と手術手技
 (4)肝硬変症の治療

Ⅵ 胆道
 1. 検査・診断法
 (1)胆道の解剖と生理
 2. 手技
 (1)胆管空腸吻合術の術後合併症予防法と対策
 3. 良性疾患
 (1)胆嚢ポリープ
 4. 悪性腫瘍
 (1)胆嚢癌と胆管癌
 (2)胆管内乳頭状腫瘍
 (3)十二指腸乳頭部癌
 (4)肝門部領域胆管癌の診断と治療
 5. 炎症性疾患
 (1)胆道系の炎症性疾患
 6. その他
 (1)胆道系の先天異常疾患
 (2)胆石症と胆嚢腺筋症
 (3)胆道外瘻と栄養障害

Ⅶ 膵臓
 1. 解剖
 (1)膵臓の発生と周囲の解剖
 2. 検査・診断法
 (1)膵疾患の内視鏡的逆行性膵管造影所見
 3. 手技
 (1)外傷と慢性膵炎に対する外科治療
 (2)膵頭十二指腸切除術(PD)の合併症予防
 4. 良性腫瘍
 (1)膵神経内分泌腫瘍
 (2)膵嚢胞性疾患(粘液性嚢胞腫瘍,漿液性嚢胞腫瘍)
 5. 悪性腫瘍
  (1)膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)
  (2)膵癌の診断と治療(手術療法)
  (3)膵癌の診断と化学療法
 6. 炎症性疾患
  (1)急性膵炎,自己免疫性(腫瘤形成性)膵炎

Ⅷ 脾臓
 1. 解剖
  (1)脾臓の解剖
 2. 良性疾患
  (1)脾摘の適応と脾摘後の合併症
  (2)食道胃静脈瘤
  (3)門脈圧亢進症

Ⅸ 腹膜・腹壁
 1. ヘルニア
  (1)閉鎖孔ヘルニアの診断と治療
  (2)鼠径ヘルニアと大腿ヘルニア
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