画像診断の勘ドコロNEO

頭頸部 画像診断の勘ドコロNEO

頭頸部 画像診断の勘ドコロNEO

■編集 浮洲 龍太郎

定価 8,580円(税込) (本体7,800円+税)
  • B5変型判  424ページ  2色(一部4色),イラスト80点,写真1,100点
  • 2020年12月28日刊行
  • ISBN978-4-7583-1614-9

スペシャリストたちは,どこを見て,どう診断しているのか。充実のボリュームと満載のアドバイスで頭頸部が“読める”!

好評を博した「勘ドコロ」シリーズがスケールアップして帰ってきた!
第1弾は頭頸部。解剖や読影のポイント解説に加え,スペシャリストたちが「どこを見て」「どう鑑別し」「どう診断しているのか」を多数の写真と明快な文章で解説する。また知識を深めるための論文紹介,要点をまとめた「ここが勘ドコロ」など,スペシャリストたちのからのアドバイスも満載した,頭頸部の勉強にも読影室で困ったときにも使える充実の一冊。


序文

 本書の出版について声をかけていただいた際,「2006年に初めて刊行されたときから,勘ドコロシリーズは技術編・疾患編の2つで構成され,携行しやすい書籍にすることをコンセプトとしている」と聞きました。そこで本書では日常診療の経験から取り扱う疾患を絞り込み,頭頸部画像診断のポイントをストレスなく,要領よく学び,現場でも活用できるテキストブックを目指すことにしました。
 内容は『頭頸部癌取扱い規約』,『画像診断ガイドライン』に準拠し,必須事項には踏み込みつつも簡素な構成を意識したつもりです。複雑な頭頸部の解剖についても,画像診断・治療戦略の要となる部分を強調し,適宜シェーマを添えることでより一層理解を促すよう努めました。ですから本書を検査室や読影室に置いておけば,ほとんどの頭頸部画像検査で平均点超えの撮影・撮像を行い,読影レポートを作成できると考えています。通読すると一部同じような内容があることに気づくかもしれませんが,これは忙しいなかであちこちの頁を行ったり来たりしなくとも問題を解決できるよう意図したためと考えてください。
 臨床研修期間中の頭頸部画像診断の入門にも,専門医試験前の知識の整理・確認にも,さらには普段この領域の画像をあまり目にしない放射線科・耳鼻科・救急科の医師,診療放射線技師などが,頭頸部画像診断に関わるときにも役立つ一冊になったのではと考えています。頭頸部の画像検査が全検査のなかで占める割合は低いため,勉強の必要性に迫られたり,得た知識を活用する機会も少なく,結果として,この領域の画像診断に苦手意識をもつ放射線科医も少なからずいることと思います。そのような方も「頭頸部の画像診断は避けてきたけど,これなら何とかなるかも」と手に取ってくだされば,そして継続的に頭頸部画像診断に興味をもつきっかけになれば,編者としてこれほど嬉しいことはありません。
 執筆にあたり突然の勝手なお願いを快く引き受けてくださり,明快な文章と多くの画像を提供してくださった先生方に心より感謝致します。降って湧いた面倒な感染症の蔓延と編集時期が見事に重なり,今年はメール,電話,夥しい量の書類などによる編集部とのやりとりが続きました。そんななか,企画から校正,その他,私のわがままに細やかに対応して下さった苅谷竜太郎様はじめ,メジカルビュー社編集部のスタッフの方々に厚く御礼申し上げます。

2020年12月
浮洲龍太郎
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書評

 北里大学医学部放射線科画像診断学の浮洲龍太郎先生による『頭頸部画像診断の勘ドコロNEO』は,経験豊富な放射線科医の視点で書かれ,最新の情報もコンパクトにまとめられた素晴らしい医学書です。頭頸部の画像は解剖も複雑で,経験ある放射線科医にとっても意外と厄介な分野で,苦手と思う先生も多いと思います。日常の読影時にちょっと確かめたいとき,つい思い出せないことなどがあるとき,すべてこの本が解決してくれるような,そんな便利で使いやすい一冊になっています。例えば頭頸部の腫瘍を理解するうえで必要な解剖,組織,診断方法,治療について,画像所見を正しく解析したうえで,病変の特徴をどう理解するか,そしてその情報を使って最終診断に導いていくための,重要なポイントが経験豊富な著者によって見事にまとめられており,学生や研修医も含め,かなり経験を積んだ放射線科医にも有用な内容になっています。
 本書は技術編と疾患編とで構成されています。技術編では造影剤や撮影方法そして超音波,CT,MR,および核医学検査の基礎知識がわかりやすく説明されていて,画像診断を行うときの必要な技術的知識や,診断のフローチャートが要領よく学べるように書かれています。これは新しく頭頸部の画像プロトコールを起こす際にも大切な情報です。疾患編は,部位別によく見られる疾患が,先天奇形から悪性腫瘍まで系統的に,豊富な画像を中心に解説してあります。頭頸部の解剖は簡単なシェーマでも解説されていて,診断と治療に必要な部位別知識の重要性を含めて,理解できるような構成にしてあります。基礎知識も含めて楽しく学べ,正確に患者の状態を把握し,実際の現場で臨床医と治療戦略を立てるときに役立つような,画像診断のできる放射線科医を育てる本だと思います。
 頭頸部の疾患は治療の難しいケースも多く,最初の診断のみならず手術後の経過観察の画像診断も大変重要です。本書はさまざまなモダリティをどう使うかなど,検査の組み立て方までに言及し,読影室の放射線科医に役立つことは確実です。随所に必読の文献や,最新のトピックス,それにちょっとしたメモも散りばめており,放射線科以外の医師にとっても頭頸部の画像診断を,満遍なく学べる内容になっています。画像のクオリティーもよく,放射線診断のガイドブックとして,大変完成度の高いものになっていて,専門医試験の整理にも最適と思われます。教育,臨床の場においてとても役立つ一冊であり,広くお勧めしたいと思います。

Ronald Reagan Medical Center
David Geffen School of Medicine at UCLA
Department of Radiology
Chief of Neuroradiology
Vice Chair of Academic Affairs
Professor of Radiology
Noriko Salamon
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目次

■ 技術編
01 CT [村山和宏,山本有香,永田紘之]
 CT値(HU)・WW/WLについて
 管電圧,管電流の画像への影響
 放射線被ばく:CTDI,CTDIvol,DLP
 Dual‒energy CT,ヨードイメージング
 CTA
 三次元表示
 アーチファクト

02 MRI [堀 正明,鈴木賢一]
 MRIのシーケンスとアーチファクト
  頭頸部MRI撮像法
  アーチファクト

03 造影剤 [井戸 愛,扇谷芳光]
  CTの造影剤
  MRIの造影剤
  
04 核医学検査
 装置と原理・放射線被ばく [中本裕士]
 18F‒FDG‒PET/CT [北口耕輔,中本裕士]
 99mTcO4-唾液腺シンチグラフィ [石守崇好]
 123I,99mTcO4-甲状腺シンチグラフィ [石守崇好]
 99mTc‒(H)MDP骨シンチグラフィ [中本裕士]

05 超音波検査 [佐竹弘子]
 原理・装置
 頸部超音波検査のコツ
 甲状腺
 リンパ節
 副甲状腺・唾液腺(耳下腺・顎下腺)

■疾患編
06 頭蓋底・海綿静脈洞・Meckel腔・Gasser神経節 [勇内山大介]
 正常解剖と画像解剖
 撮像のポイント
 脊索腫
 軟骨肉腫
 転移性骨腫瘍
 線維性骨異形成症
 悪性腫瘍の神経周囲進展

07 眼窩
 正常解剖と画像解剖 [松浦紘一郎,齋藤尚子]
 撮像のポイント [齋藤尚子]
 悪性黒色腫 [齋藤尚子]
 涙腺の多形腺腫 [齋藤尚子]
 眼窩内海綿状血管奇形 [齋藤尚子]
 眼球外傷,吹き抜け骨折,異物 [星野江里,齋藤尚子]
  眼球破裂(globe rupture)
  水晶体脱臼(lens dislocation)
  眼窩吹き抜け骨折(orbital blow‒out fracture)
  眼球内異物・眼球外異物(intraocular foreign body/extraocular foreign body)
 視神経炎 [齋藤尚子]
 Tolosa‒Hunt症候群 [齋藤尚子]
 甲状腺眼症 [山本裕也,齋藤尚子]
 眼窩のIgG4関連疾患多臓器リンパ増殖症候群 [齋藤尚子]

08 鼻副鼻腔
 正常解剖と画像解剖 [浮洲龍太郎]
 撮像のポイント [浮洲龍太郎]
 上顎洞癌 [狩野洋輔,浮洲龍太郎]
 悪性黒色腫 [狩野洋輔,浮洲龍太郎]
 嗅神経芽細胞腫/嗅神経芽腫 [狩野洋輔,浮洲龍太郎]
 内反性乳頭腫 [狩野洋輔,浮洲龍太郎]
 NK/T細胞リンパ腫 [狩野洋輔,浮洲龍太郎]
 通常型の鼻副鼻腔炎 [浮洲龍太郎]
  急性鼻副鼻腔炎
  慢性(化膿性)鼻副鼻腔炎
 好酸球性副鼻腔炎 [浮洲龍太郎]
 歯性上顎洞炎 [浮洲龍太郎]
 粘液嚢胞・粘液瘤 [浮洲龍太郎]
 術後性上顎嚢胞 [浮洲龍太郎]
 副鼻腔真菌症(急性浸潤性・慢性浸潤性・菌球・アレルギー性) [浮洲龍太郎]
 多発血管炎性肉芽腫症 [浮洲龍太郎]
 血瘤腫(器質化血腫) [浮洲龍太郎]

09 側頭骨 [小玉隆男]
 正常解剖と画像解剖
 撮像のポイント
 慢性中耳炎
 真珠腫
 耳硬化症(otosclerosis)
 Pendred症候群,Mondini奇形
 Ramsay‒Hunt症候群,Bell麻痺
 グロムス腫瘍
 扁平上皮癌(外耳道・中耳)

10 唾液腺 [藤井裕之,菊地智博,藤田晃史]
 正常解剖と画像解剖
 撮像のポイント
 多形腺腫
 Warthin腫瘍
 多形腺腫由来癌
 粘表皮癌
 腺様嚢胞癌
 腺房細胞癌
 唾石症
 IgG4関連疾患

11 口腔・顎骨・咀嚼筋間隙 [加藤博基]
 正常解剖と画像解剖
 撮像のポイント
 口腔癌
 歯原性嚢胞(歯根嚢胞,含歯性嚢胞,歯原性角化嚢胞)
 歯原性腫瘍(エナメル上皮腫)
 顎骨骨髄炎
 顎骨壊死(薬剤性・放射線性)
 顎関節症
 外歯瘻

12 上咽頭・傍咽頭間隙 [馬場 亮,尾尻博也]
 正常解剖と画像解剖
 撮像のポイント
 上咽頭癌
 悪性リンパ腫
 上咽頭腺様嚢胞癌
 アデノイド肥大

13 中咽頭 [大原有紗]
 正常解剖と画像解剖
 撮像のポイント
 中咽頭癌(HPV陽性,陰性)
 悪性リンパ腫

14 下咽頭・喉頭
 正常解剖と画像解剖 [久野博文]
 撮像のポイント [久野博文]
 下咽頭癌 [久野博文]
 喉頭癌 [久野博文]
 咽頭異物 [酒井正史,久野博文]

15 甲状腺・臓器間隙 [藤間憲幸]
 正常解剖と画像解剖
 撮像のポイント:モダリティの使い分け
 甲状腺機能亢進症
 亜急性甲状腺炎
 慢性甲状腺炎(橋本病)
 甲状腺癌

16 頸部リンパ節
 正常解剖と画像解剖 [塚部明大,柏木伸夫]
 撮像のポイント:モダリティの使い分け [柏木伸夫,塚部明大]
 リンパ節転移 [塚部明大,柏木伸夫]
 悪性リンパ腫 [塚部明大,柏木伸夫]
 感染性リンパ節炎 [塚部明大,柏木伸夫]
 川崎病 [塚部明大,柏木伸夫]
 組織球性壊死性リンパ節炎(菊池病) [柏木伸夫,塚部明大]
 結核性リンパ節炎 [塚部明大,柏木伸夫]
 木村(氏)病(軟部好酸球性肉芽腫症) [塚部明大,柏木伸夫]
 デスモイド [塚部明大,柏木伸夫]
  
17 頭頸部悪性腫瘍の治療後経過観察 [馬場 亮,尾尻博也]
 検査の組み立て方
 読影のポイントとピットフォール
  
18 頭頸部の腫瘍・特殊な感染症
 正常解剖と画像解剖(頭頸部組織間隙を中心に) [船木 翔,山本周平]
 撮像のポイント [船木 翔,山本周平]
 眼窩骨膜下膿瘍 [船木 翔,山本周平]
 咀嚼筋間隙膿瘍 [船木 翔,山本周平]
 扁桃周囲膿瘍 [船木 翔,山本周平]
 口腔底膿瘍(Ludwig’s angina) [船木 翔]
 咽後膿瘍 [船木 翔]
 降下性壊死性縦隔炎 [船木 翔]
 頭蓋底骨髄炎 [船木 翔]
 急性喉頭蓋炎 [船木 翔]

19 頭頸部の先天性疾患 [東 美菜子,平井俊範]
 リンパ管奇形
 鰓裂嚢胞
  第1鰓裂嚢胞
  第2鰓裂嚢胞
  第3,4鰓裂嚢胞
 類皮嚢胞
 甲状舌管嚢胞
 Tornwaldt嚢胞
  
20 外傷 [掛端伸也]
 救急CTの特殊性と読影のポイント
 側頭骨骨折
 頬骨上顎複合体(ZMC)骨折
 頬骨骨折
 Le Fort骨折
 下顎骨骨折
 喉頭外傷

21 IVRのための画像診断 [吉田大介]
 正常解剖と術前画像診断
 血管腫・血管奇形
 頭頸部悪性腫瘍に対する動注化学療法
 【コラム】頭頸部IVRの現場から [和田 敬,高山勝年,吉川公彦]
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