絶対に知るべき臨床研究の進め方

PMDAで得た研究者の心構え48

絶対に知るべき臨床研究の進め方

■編集 レギュラトリー・ドクターズ

定価 3,300円(税込) (本体3,000円+税)
  • A5判  168ページ  オールカラー
  • 2016年8月1日刊行
  • ISBN978-4-7583-1624-8

臨床医がPMDAで経験し初めて驚愕した臨床研究の極意を伝える,これからの臨床研究に欠かせない1冊

臨床研究を行う臨床医に向けて,PMDAに勤務して初めて知って驚愕した一般臨床研究の極意を,臨床医の目線でアドバイス。今まで臨床医が知らなかったPMDA目線の考え方,これからの臨床研究に必要な48の心構えを,カラーイラスト満載の紙面でどこからでも読めるよう構成し,やさしく解説。社会に還元される真の臨床研究のためのレギュラトリー哲学を伝える,臨床医必携の入門書。


序文

はじめに

 治験は医薬品や医療機器の開発に直結する。その成果の裾野では臨床研究がまさに試行錯誤されている。
 臨床医は非常に忙しい。しかし,目の前の患者さんの苦痛を癒すことはもちろん,苦労の多い臨床から何らかのデータを見いだし,発表し,多くの医療現場で有効活用して欲しいという気持ちになるのは自然である。
 しかしながら多忙な日常であったり,研究に関する理解が十分でないことなどから,真に意味のある臨床研究が発せられることが少ない。なかでも臨床と研究の区別をつけることがどれほど大切なのか解説する。
 われわれは医薬品医療機器総合機構(PMDA)で数年間審査員をしてきた臨床医とその仲間である。誤解してもらっては困る。PMDAも未来のため常に「仲間」を求めている。ここではPMDAの要求する臨床研究哲学をシェアし,袋小路から脱出するためのノウハウを明らかにしよう。従来の方法をあるべき姿にスイッチするため,頭をストレッチする助けとなろう!
 最近では多くのアカデミアでさまざまな講習会が実施され底上げに寄与していると期待したいが,臨床医以外は面と向かっては臨床医に指導してはくれない。一方,臨床医は自分のフィールドに臨床医以外から口を挟まれることを好まない。ならば,われらがしよう。
 臨床現場感覚満載の臨床医の心にどのように伝えれば配慮してもらえるのか,臨床医の立場を踏まえ描いた本書は,日本医学史に初めて出現した「臨床研究心構え」ガイドブックである。治験,臨床研究さらに統計分野の種々の教科書とともに,本書が広報的な役目を担えれば幸いである。
 医学生,大学院生,研修医,ならびに,すでに臨床では大勢の患者さんを救っている「研究者」に本書を読んでいただきたい。患者さんたちは,未来を変えると期待しているからその研究に参加している。患者さんの現状を変える力をもとうではないか!
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目次

序章 アカデミアにおける医療の本質とは −臨床研究の法制化を見据えて−

第1章 研究を始める前の心構え
 Lesson 1 その研究で最も見たいことは何か?
 Lesson 2 先生のしようとしていることはプロジェクト。1つの研究では答えは得られない
 Lesson 3 ブレインストーミング(君は1人ではない)
 Lesson 4 ロジックピラミッドでイメージをシェア
 Lesson 5 臨床の延長で臨床研究してはいけない
 Lesson 6 それって,侵襲・介入では?
 Lesson 7 不適切な臨床研究の歴史(ゲルシンガー事件など)
 Lesson 8 nが少ないほうが正しいとき
 Lesson 9 浮遊する迷宮からの脱出!
 Lesson 10 同時に出口目線で考えよう!
 Lesson 11 ピーチ(p値)だけで世界は変えられない

第2章 プロトコル作成の際の心構え
 Lesson 12 プロトコルツリーは盆栽ではない
 Lesson 13 そのままでは,何ともいえない結果になるだけ
 Lesson 14 失敗しないための要素は1つではない
 Lesson 15 試験デザインを最初から決めてかからない
 Lesson 16 仮説(達成ゴール)を事前に描く習慣を
 Lesson 17 後出しジャンケンは御法度な世界
 Lesson 18 あわよくばと欲張った網を張らない
 Lesson 19 遂行する見通しは甘くないか?
 Lesson 20 見たいことを見やすくするための組み入れ
 Lesson 21 課題名は治験の記載パターンを真似てみよう
 Lesson 22 プロトコルにはvisit(受診日)ごとにすべて書く。DM(データマネージメント)的にはスケジュール表が最も大切!
 Lesson 23 CRFはスリム化(項目数を最小化)し,プロトコルとの整合性を
 Lesson 24 診断の定義は研究ではなおさら具体的に
 
第3章 研究が始まってからの心構え
 Lesson 25 臨床研究はシェアすべき公共財
 Lesson 26 研究者は常に品質(モノと体制)を追求
 Lesson 27 同意書のファイル整理
 Lesson 28 信頼性を強固にするモニタリング
 Lesson 29 臨床研究は標準化ワールド
 Lesson 30 解析対象を絞り込む,逸脱例除外フロー
 Lesson 31 自分のパソコンで解析してはダメ
 Lesson 32 臨床研究はチームでするもの
 Lesson 33 臨床研究ではUMIN(ユーミン)などの登録は必須
 Lesson 34 フライングゲットも不正行為
 Lesson 35 他施設の共同研究者教育は研究代表者が自ら行う
 Lesson 36 非臨床研究にもデータ管理のクオリティーを
 Lesson 37 真のネガティブデータの破壊力

第4章 研究の出口を探る心構え
 Lesson 38 PMDA(パンダ)は良きライバル
 Lesson 39 研究者として,これを言っては元も子もない
 Lesson 40 PMDA相談時のシナリオ
 Lesson 41 THE ポンチ絵
 Lesson 42 ロードマップを描き,更新する習慣
 Lesson 43 これがガントチャートだ
 Lesson 44 研究には,ポジショニング(位置づけ)がある
 Lesson 45 ガイドライン作成工程にも可視化
 Lesson 46 産官学連携と同時に学内連携強化を!
 Lesson 47 発表する前に,まず知財確認
 Lesson 48 PMDA相談はチャンス

コラム
  臨床研究教育とARO
  医師主導治験の鍵はAROの活用
  PMDA入社のススメ① 臨床医は,薬や医療機器についてじつはなにも知らない
  人を対象とする医学系研究に関する倫理指針ガイダンス第7章第17に関連して:
   医薬品医療機器法に基づく副作用・感染症・不具合報告制度
  PMDA入社のススメ② 敵は身内にあり
  医療機器の開発とは
  研究費獲得の道
  ちょっとひと言 臨床研究における「安全性」について
  PMDA入社のススメ③ 無知の知
  医療機器の開発を支援すること
  PMDA入社のススメ④ 皆世の中を良くしようとする仲間
  PMDA から得たもの,PMDAに望むこと
  「臨床研究」と「治験」
  臨床研究の「信頼性確保」の重要性
  開発を目指しPMDAと機構相談する際に必要なマメ知識
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