初めて握る人のための

気管支鏡入門マニュアル
[Web動画付]

杏林大学呼吸器内科編

改訂第2版

気管支鏡入門マニュアル[Web動画付]

■編集 石井 晴之
小林 史

定価 6,600円(税込) (本体6,000円+税)
  • i_movie.jpg
  • B5判  188ページ  オールカラー,イラスト140点,写真220点
  • 2021年3月29日刊行
  • ISBN978-4-7583-1813-6

定番テキスト増強改訂!スムーズな検査に必要なコツと手順が一冊でわかる!

間質性肺炎の診断や腫瘍性肺病変の確定診断,病原菌の同定など,気管支鏡による呼吸器診断の役割は非常に大きなものです。本書では、気管支鏡をこれから始める若手呼吸器科医,および研修医に向け,イラストと写真を基に手順や操作を丁寧に解説します。第2版の改訂にあたって,鎮痛鎮静,末梢気管支の同定(”枝読み”),EBUS-TBNAの解説が加わり,さらに各操作に関わるお手本動画が盛り込まれています。本領域で高い医療レベルを誇る杏林大学呼吸器内科の先生方の洗練テクニックとコツがわかる気管支鏡の入門書です。


序文

 2014年1月に出版された第1版は,入門編として気管支鏡検査の基本的な知識を整理した内容のものであった。本書のタイトルどおり入門者が手にとってくれていると思うが,多くの気管支鏡指導医の先生方から基本的手技のコツやポイントが明確に記載されていて共感できる部分が多い,という嬉しい御意見をたくさんいただいてきた。しかし,基本的手技の内容が中心で満足できない読者もいたはずである。第1版が刊行されて7年という年月が経ち,現在EBUS-TBNA, EBUS-GS-TBBは標準化された検査になっていること,そして,鎮静薬使用の見解にも変化があり,新たな情報を追加・修正した改訂版を作成することを決意した。しかし,初版に掲載している気管支鏡検査の基本中の基本はいつの時代も変わらず大切なことであり,これからも入門者には読んでもらいたい大切な情報として修正していない。
 2019年12月に武漢から感染拡大した新型コロナウイルスSARS-CoV-2による感染症(COVID-19)については,わが国においても2020年1月から帰国者やダイアモンドプリンセス号での感染事例が起こり始めた。それから1年が経過するが未だに終息する兆しは見えていない。全世界的なパンデミックに発展し,COVID-19は2021年1月17日現在,感染者数は全世界で9450万人,わが国では32.5万人に達している。この改訂版が発刊される頃には,感染拡大状況はどのようになっているのか想像もつかない。気管支鏡検査においても,無症候性COVID-19による空気感染リスクは高いことは周知の事実となった。これまで空気感染リスクの代表格であった肺結核においても個人防護具は用いられていたが,今回のSARS-CoV-2感染拡大で感染予防策の重要性を改めて考えさせられている。
 今回の改訂版でもタイトルは「初めて握る人のための気管支鏡入門マニュアル」ではあるが,初めて握るときだけではなく,何度も見返して基本的手技を確認し,また,さまざまな手技についても応用編として学べる内容にした。初版と同様に改訂版においても,杏林大学医学部付属病院呼吸器内科で日常行われていることを整理して教育的に掲載している。
 COVID-19感染拡大で医療が逼迫しているなか,多くの当教室員が執筆協力してくれたこと,そして,多くの原稿を休日夜間の時間を削り編集してくれた小林 史医員にも感謝したい。最後に,多大な御苦労をおかけしながら本書を完成させてくれたメジカルビュー社の井上紘一郎様に厚く御礼申し上げたい。

2021年1月17日
杏林大学医学部付属病院呼吸器内科 教授
石井晴之
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目次

序章
 気管支鏡検査で使用する主な器具  小林 史
 気管支鏡で見る代表的な疾患  小林 史,藤原正親
 
第Ⅰ章 始める前の基礎知識
 気管支鏡を始めるにあたって  石井晴之
 気道系の解剖と構造  皿谷 健
 気管支鏡の構造と基本的操作  本多紘二郎,檜垣 学
 気管支鏡検査の適応と禁忌  三倉 直,辻本直貴
 胸部CTにおける亜区域気管支の読影  佐久間 翔,田中康隆
 看護スタッフとの連携  春木真由美,相木純子

第Ⅱ章 検査前の必要事項
 説明と同意  中本啓太郎,倉井大輔
 検査施行前のチェックリスト  井上真奈美,蘇原慧伶
 検査を行う環境  宮岡智花,佐田 充
 検査室での準備  西沢知剛
 咽頭および喉頭への局所麻酔  白井達也,高田佐織
 静脈麻酔  吉田悠貴
 
第Ⅲ章 基本手技
 スコープ挿入時の注意点  石井晴之
 声門通過までの注意点  石井晴之
 観察手技  野田晃成,田村仁樹
 処置手技  麻生純平,小出 卓
 
第Ⅳ章 実践手技
 末梢肺野の結節影へのアプローチ
  ガイドシース併用経気管支生検の適応・準備  麻生かおり
 ガイドシース併用経気管支生検の手技  小田未来,磯村杏耶
  末梢病変に対する気管支の同定  石川周成
 びまん性肺疾患へのアプローチ
  気管支洗浄  肥留川一郎
  気管支肺胞洗浄  黒川のぞみ,田中康隆
  経気管支肺生検  森田喜久子,田中康隆
 直視下での病巣アプローチ
  直視下生検  春日啓介,高田佐織
 リンパ節へのアプローチ
  EBUS-TBNAの適応・準備  小林 史
  EBUS-TBNAの手技  小林 史
  EBUS-TBNAの検体処理・合併症  小林 史

第Ⅴ章 合併症と対処法
 気管支鏡による合併症と対処法  乾 俊哉

第Ⅵ章 検査後の管理
 検査終了後の管理  齊藤正興,小川ゆかり
 検査報告書および依頼書の作成  石田 学
 検査後のスコープの取り扱い  種岡貴子

豆知識
 気管支鏡の歴史  石井晴之
 気管支鏡はつらい検査?  小林 史
 気管支鏡検査の医療費  平田 彩,横山琢磨
 気管支体操  石井晴之
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