がん患者の呼吸困難・痛み・
精神症状を診るロジック

知っていればこんなに使える非薬物療法アプローチ! 薬物療法が本当に有効な病態を見抜く!

がん患者の呼吸困難・痛み・精神症状を診るロジック

■編著 蓮尾 英明
松岡 弘道
松田 能宣

定価 3,850円(税込) (本体3,500円+税)
  • A5判  224ページ  2色
  • 2023年3月3日刊行
  • ISBN978-4-7583-1819-8

がん治療中に遭遇する“困った3大症状”の対策を病態仮説図(フローチャート)により実践的に解説!

がん治療中に日常的に遭遇する“困った3大症状”として,呼吸困難,痛み,せん妄などの精神症状を取り上げて病態から読み解き,対応策を紹介。病態仮説図(フローチャート)により,薬物療法が効果的な病態/非薬物療法が効果的な病態を分類し,①薬物療法が効果的な場合は、薬剤のレシピを詳細に掲載,②非薬物療法が効果的な場合は、心療内科的アプローチを今日から取り入れられるように実践的に解説する。
コラムも多数掲載し,日常診療での困ったシチュエーションをきめ細やかにフォローした。

がん治療中に日常的に遭遇する“困った3大症状”として,呼吸困難,痛み,せん妄などの精神症状を取り上げて病態から読み解き,対応策を紹介。病態仮説図(フローチャート)により,薬物療法が効果的な病態/非薬物療法が効果的な病態を分類し,①薬物療法が効果的な場合は、薬剤のレシピを詳細に掲載,②非薬物療法が効果的な場合は、心療内科的アプローチを今日から取り入れられるように実践的に解説する。
コラムも多数掲載し,日常診療での困ったシチュエーションをきめ細やかにフォローした。

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心と体は深くつながっていて、その双方を分け隔てなく丁寧に診ること、
患者さんが病気や症状をどのように捉えているかを尊重した上で、
なぜ体の症状が生じているかという見立てを丁寧に伝えることの重要性を改めて感じる良書です。
緩和ケアの診療に従事するすべての皆様に読んでいただきたい一冊です。

筑波大学医学医療系緩和支持治療科
日本緩和医療学会理事長
木澤 義之 氏
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目から鱗の実践本
病態のロジックが鮮やかで対応方法も目から鱗!
台詞や処方例が満載。コラムも楽しく一気に通読しました。

聖隷三方原病院緩和支持治療科部長
森 雅紀 氏
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ブラックボックスとして扱われがちな心と身体のつながりを、
本書を通じて体系的・論理的に理解できる。

国立がん研究センター中央病院緩和医療科医長
石木 寛人 氏
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序文



 「病は気から」といったことわざがあるように、心と身体は密接に関連しています。最近では、がんの進展に、心との関連が深い交感神経が関与していることも報告されています。この概念を理解しておくと、全人的理解のもとに患者を診る重要性を多職種で共有しやすくなります。さらに、身体症状の原因には、器質的な疾患だけではなく、さまざまな身体・脳の機能異常による病態が関連しています。この“機能異常”という概念を理解しておくと、心身両面へのアプローチを行うことができるようになります。また、薬物療法が本当に有効な病態が見抜けるようになり、非薬物療法であるケア、心理療法といった治療選択肢が増えるようになるでしょう。
 医療者が患者さんの回復を信じていると、実際に回復することが知られています。回診での声掛け、「お変りはありませんね」。医師としては「悪くなっていなさそう、よかった」という意味合いでも、「もうよくはならないのか」とつらく感じるがん患者さんもいるかもしれません。どんな病期のがん患者さんでも、昨日より今日、今日より明日、少しでも良い変化があることを期待しています。
 本書は、がん治療医、緩和ケア領域のスタッフに役立つことを目的として、心療内科医の立場から、呼吸困難・疼痛・精神症状に対して、医療者が患者さんの回復を信じられるような非薬物療法を中心にまとめています。たまたま同じ時期に心療内科の研修を行った同期3人がたまたま緩和ケアの臨床に関わるようになり、「心療内科医が行う緩和ケアってなんだろう?」という疑問をずっともちながら臨床をしてきました。3人なりに考えたその答えの一部が反映されていると思います。ただ、現場で役立つようにわかりやすく記載するという点を意識して書いたため、その領域の専門の皆様からみたら、「ほんまかいなー」というところがあるかもしれませんが、そこはご容赦いただければ幸いです。本書が、皆さまが心療内科的アプローチを行う実践書となり、それががん患者さんのつらさの軽減につながればとてもうれしく思います。
 最後にご執筆いただきました心療内科・精神科の先生方、企画段階より粘り強く支えてくださいましたメジカルビュー社編集部の加賀智子様に心より感謝申し上げます。

2023 年1 月
蓮尾英明
松岡弘道
松田能宣
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目次

第1章 心療内科医の病態を診るロジック  蓮尾英明
①「解釈モデル」という概念
②「病態仮説」という概念
③「病態仮説」の構築のメリット
④「病態仮説」の構築のポイント
⑤「身体の機能異常」という概念
⑥「身体診察」の重要性
⑦「脳の機能異常」という概念
⑧「病態の気づき」という概念
⑨「フィードバック」という概念
⑩「心理療法処方」という概念

第2章 呼吸困難を診るロジック
①呼吸困難の病態仮説  松田能宣
②呼吸困難に薬物療法が有効な病態と各種薬剤の使い分け  松田能宣
③呼吸に注意が向きすぎることで、呼吸困難を感じる症例―「注意固着」の呼吸困難への影響を考える Part Ⅰ  蓮尾英明
④呼吸に注意が向きすぎることで、呼吸困難を感じる症例―「注意固着」の呼吸困難への影響を考える Part Ⅱ  松岡弘道
⑤呼吸筋機能が低下することで、呼吸困難を感じる症例―「呼吸筋の萎縮や緊張」の呼吸困難への影響を考える  蓮尾英明
⑥パニック症で、呼吸困難を感じる症例― パニック発作による交感神経過緊張状態からの呼吸困難への影響を考える  松岡弘道
⑦気持ちが落ち込むことで、呼吸困難を感じる症例―抑うつによる症状閾値の低下の影響を考える  松田能宣
⑧喉がつまる感じとして、呼吸困難を感じる症例―呼吸困難の原因として咽喉頭異常感症(ヒステリー球)を考える  松田能宣

第3章 疼痛を診るロジック
①痛みの病態仮説図  松岡弘道
②痛みに影響を与えるさまざまな因子を知ろう  松岡弘道
③がん関連因子による痛み:対応不十分な器質性疼痛の存在を考える  松岡弘道
④非がん痛(筋・筋膜の痛み)で、痛みを感じる症例―「筋・筋膜の緊張」の痛みへの影響を考える  蓮尾英明
⑤がんサバイバーにおける非がん痛で、痛みを感じる症例―がんサバイバーの破局的な思考による痛みへの影響を考える  蓮尾英明
⑥非がん性腰痛症で痛みの悪化を認める症例―がん患者における「非がん性腰痛症」の痛みへの影響を考える  蓮尾英明
⑦「交感神経過緊張」で痛みを感じる症例  松岡弘道
⑧せん妄関連疼痛で、痛みを訴える症例―がん患者のせん妄に関連した痛みへの影響を考える  蓮尾英明
⑨痛みの訴えの背景にケミカル・コーピングが存在する症例  松岡弘道
⑩心理的葛藤が背景にあることで、痛みを感じる症例―心理的葛藤が痛みとして表現されている可能性を考える  松田能宣
⑪気持ちが落ち込むことで、痛みを感じる症例  松田能宣
⑫遺伝子多型の存在により感受性の変化が起きることで、痛みを感じる症例  松岡弘道
⑬医療者関連因子による疼痛:偽依存症の存在のために、患者の痛みの訴えが増す症例  松岡弘道
⑭医療者関連因子による疼痛:医療者の不適切なコミュニケーションが原因で、痛みが増悪する症例  松田能宣
⑮医療者関連因子による疼痛:医療者自身の防衛機制のために患者の痛みの訴えが増す症例  松岡弘道

第4章 精神症状のトピックス集
①がん患者における低活動型せん妄の鑑別を考える  井上真一郎
②がん患者におけるせん妄の特徴に沿った向精神薬の使い分け  貞廣良一
③がん患者におけるせん妄の非薬物療法のTIPS  井上真一郎
④がん患者における気分障害の鑑別を考える  上村恵一
⑤がん患者における気分障害の特徴に沿った向精神薬の使い分け  上村恵一
⑥がん患者の不眠に対するセルフケア  蓮尾英明
⑦がん患者における不眠障害の特徴に沿った向精神薬の使い分け  伊達泰彦
⑧発達障害のある患者の診かた  伊達泰彦
⑨脳腫瘍によって生じる精神症状・神経症状  竹之下慎太郎
⑩向精神薬の副作用対策  貞廣良一
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