これから始めるPCI

改訂第2版

これから始めるPCI

■編集 及川 裕二

定価 7,150円(税込) (本体6,500円+税)
  • A4判  292ページ  オールカラー,イラスト200点,写真700点
  • 2019年9月21日刊行
  • ISBN978-4-7583-1959-1

初歩の初歩から,手取り足取り徹底マスター。「つまずきポイント」が「特技」に変わる!

カテーテル治療は循環器疾患に対する主軸を担っており,多くの医師が手技を行っている。また,各種デバイスの開発や低侵襲の進歩により,心臓カテーテルに関わる医師はさらに増加し,多くの循環器分野の新人医師は確実な技術,知識の習得が必須となってきている。しかし,多くの新人医師が先輩医師から技術を学んでいるとはいえない現状がある。
そこで本書では,PCIを新たにはじめる際に必要な基礎知識,ガイディングカテーテル,バルーン,ステントの構造や選択方法,穿刺方法等をイラストと画像を用いて平易に解説。また,FFR/iFRによる虚血評価,OCTやIVUSなどのイメージングモダリティ,さまざまなテクニックについても触れ,PCIを行ううえで必ず考えなければならない合併症についても触れている。
PCIの実践的入門書として役立つ1冊である。


序文

はじめに

 本書は,PCIを始める際に知っておくべき最低限の知識が得られるように,文章はなるべく簡潔に,画像を多く取り入れ,<わかりやすさ>を最重視して企画・編集されました。手技を行ううえで,頭で覚えるよりも,目でみて感覚的に理解したほうが役に立つでしょう。PCIライブも数多く行われている現在,優れた術者が行う手技で透視上のワイヤーの動き,バルーンのデリバリー,ステントの拡張などをみることは可能です。ただし,初心者に必要なガイディングカテーテルの形状やガイドワイヤーの選択方法,デバイスの構造,さまざまなテクニックの原理などを理解するためには,シェーマや手元の画像写真などのほうがはるかに優しいと思われます。
 PCIの基礎知識に始まり,各デバイスの構造,選択および操作方法,さらにPCIの補助ツールとして必要なイメージングモダリティについて解説し,終盤の章には,知っておくべき合併症とその回避方法を入れました。さらに,今回は,初版刊行からの約6年の間に使用可能となったデバイスについて,最終章に<新しいデバイス>を加え,可能な限り,最新の話題も取り入れました。今までにない体裁の本であり,ご執筆いただいた各先生方には色々と工夫して表現していただいております。
 本書が,<これからPCIを始める先生方>のお役に立てれば幸いです。また,PCIは術者を支えてくれるメディカルスタッフの方々の働きも大切であり,そのためにわれわれがどのようなデバイスを,どのような考えで使っているのかをメディカルスタッフの方々に理解していただく必要があります。ぜひ本書を使って,若い先生方,メディカルスタッフの方々に一緒に勉強していただければと思います。
 最後に,お忙しいなか,この企画にご協力いただき,ご執筆をいただきました先生方に心より感謝申し上げます。

令和元年8月
心臓血管研究所付属病院循環器内科部長兼冠動脈疾患担当部長
及川裕二
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目次

Ⅰ PCI前の基礎知識
 1.PCIってなに?  桐山皓行,金子英弘,及川裕二
  PCIの適応疾患
  PCIの手順
 2.PCIに必要な設備およびスタッフ配置  松野俊介
  PCIに必要なスタッフ
  PCIに必要な設備
  PCIに必要な機器とスタッフの役割

Ⅱ アプローチ部位の選択
 1.大腿動脈アプローチの利点と欠点  嘉納寛人
  大腿動脈アプローチの利点
  大腿動脈アプローチにおけるガイディングカテーテルの操作方法
  大腿動脈アプローチの欠点
  腸骨動脈・大動脈の蛇行
 2.橈骨動脈アプローチの利点と欠点  鈴木孝英
  橈骨動脈アプローチの利点
  TRIの有用性と適応
  TRIにおけるガイディングカテーテルの選択と操作
  7Fr TRIの実際
  slender PCI
  急性心筋梗塞におけるTRIの利点

Ⅲ ガイディングカテーテルの選択
 1.右冠動脈   野崎洋一
  右冠動脈に使用されるガイティングカテーテルの種類
  JRの使用
  ALの使用
  ILを右冠動脈に使用した症例
  IFLを右冠動脈に使用した症例
  右冠動脈左バルサルバ洞起始の症例
  右冠動脈の派生
  右冠動脈左バルサルバ洞起始でJLを使用した症例
  右冠動脈近位部の慢性完全閉塞(CTO)病変の症例
 2.左冠動脈   川嶋 望
  ガイディングカテーテルを選択する際に考慮すべきこと
  左冠動脈に使用されるガイディングカテーテルの種類
  病変部位別の実際のガイディングカテーテルの選択
  JLタイプ,バックアップタイプ,ALタイプが適した各症例

Ⅳ ガイドワイヤーの構造と選択,シェイピングのコツ
 1.ガイドワイヤーの構造と選択,シェイピングのコツ   小川崇之
  ガイドワイヤーの分類
  各種ガイドワイヤーの先端荷重・サポート値
  シェイピング法

Ⅴ バルーンカテーテルの構造と病変に適した選択法
 1.バルーンカテーテルの構造と病変に適した選択法   横山 健
  バルーンの構造と種類
  病変によるバルーンの選択

Ⅵ ステントの構造と種類
 1. ステントの構造と種類   田邉健吾
  知っておくべき歴史と開発の方向性
  XIENCE Sierra®
  SYNERGYTM
  BMX-J®
  Resolute OnyxTM
  Ultimaster
  BioFreedomTM
  Orsiro

Ⅶ イメージングモダリティ
 1.IVUS   園田信成
  治療前のIVUSチェック項目
  ステント留置時のIVUSチェック項目
  ステント留置後のIVUSチェック項目
 2.OCT/OFDI   羽原真人
  心臓のイメージングモダリティ
  OCT/OFDIとは:IVUSとの比較
  OCTの臨床応用
 3.PCI手技中におけるFFR/iFR測定の意義   山下 淳
  PCI適応決定の際に重要なこと
  FFRとiFRの違い
  FFRとiFR測定における注意点
  最大充血時(FFR計測時)と安静時(iFR計測時)の病変を通過する血流の違い
  PCI 施行時の支援ツールとしてのiFR の活用
  治療後のFFR とiFR の乖離をどう考えるか
  LMTやLAD近位部病変の評価
  iFR とそのほかの安静時指標

Ⅷ マイクロカテーテル
 1.マイクロカテーテル   景山倫也
  マイクロカテーテルの基本
  一般的なマイクロカテーテルの使用目的
  特殊なマイクロカテーテル

Ⅸ ロータブレータ
 1. ロータブレータ   下地顕一郎
  ロータブレータの目的
  ロータブレータの手技
  合併症の予防と対応
  入口部病変
  側枝保護目的でのアブレーション

Ⅹ 血栓吸引デバイスおよび末梢保護デバイス
 1. 血栓吸引デバイスおよび末梢保護デバイス   桐ヶ谷英邦,日比 潔
  血栓吸引デバイス
  末梢保護デバイス

Ⅺ さまざまなテクニック
 1.マイクロカテーテル抜去(南都法,トラッピングテクニック,エクステンションワイヤー)   船田竜一
  南都法(南都抜き)
  トラッピングテクニック
  エクステンションワイヤー
 2-①. デバイス挿入困難回避法:ガイドエクステンションの紹介および使用方法   堤 孝樹
  ガイドエクステンションとは
  ステント通過困難時の対処
  ガイドエクステンションの種類
  rapid exchange型
  over the wire型
 2-②.デバイス挿入困難回避法:Tornus   國井浩行
  Tornusとは
  Tornus Proとマイクロカテーテルの比較
  Tornus Proの安全装置
  Tornusの進め方
  Tornus使用上の注意点
 2-③.デバイス挿入困難回避法:buddy wire   芹川 威
  屈曲病変に対する冠動脈伸展
  石灰化病変に対するスリップ効果
  バイアスの変更効果
  buddy wireによるステント留置のpitfall
 2-④.デバイス挿入困難回避法:アンカーテクニック   加藤大雅
  アンカーテクニックとは
  アンカーテクニックの方法
  特殊なアンカーテクニック
  アンカーテクニックを安全に行うために
 3.分岐部病変に対するステント留置法   舩津篤史,中村 茂
  分岐枝病変とは
  ステント治療の手順

Ⅻ 知っておくべき合併症およびその回避法
 1.冠動脈穿孔   浜中一郎
  冠動脈穿孔の種類
  ガイドワイヤーによる冠動脈穿孔
  バルーンやステント拡張時,ロータブレータ使用時の
  冠動脈穿孔
 2.no reflow / slow flow   安齋 均
  no flowの重要性
  no reflowとは
  血管内イメージングによるno reflow発生予測
  no reflowの予防法と生じた場合の対処法
  ケースカンファレンス
 3. 異物回収法   柚本和彦
  ステントの脱落を引き起こしやすい状況
  ワイヤーが離断しやすい状況
  脱落したステントへの対処
  異物の捕捉
  異物の回収
  体外への抜去
 4. IVUSスタック   大塚雅人
  IVUSカテーテルの先端構造
  IVUSスタックの機序
  IVUSとガイドワイヤーのたわみ・絡みによるスタックと
  対処法
  ガイドワイヤーエグジットポートの引っ掛かりによるスタックと
  対処法
  IVUSトランスデューサ自体のウェッジによるスタックと
  対処法
 5. ロータブレータスタック   坂倉建一
  ロータブレータスタックとは
  非外科的な対処法
  そのほかの対処法

ⅩⅢ  新しいデバイス
 1. DCA(方向性冠動脈粥腫切除術)   嘉納寛人
  DCAの必要機材と構造
  セットアップ方法
  基本的使用方法
  適応となる病変
  DCAで特に注意を要する合併症
 2. エキシマレーザー   足利貴志
  ELCAの必要機材と構造
  セットアップ方法
  基本的使用方法
  適応となる病変
  合併症とその対応
 3.DCB(薬剤コーテッドバルーン)   坂元 敦
  知っておくべき歴史と開発の方向性
  基本構造
  適応となる病変
  使用上の注意点
 4. ダイアモンドバック   小林範弘
  構造と使用方法
  ロータブレータとの違い
  実際どのようなシチュエーションで使用するか
  使用上の注意点
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