米国緩和ケア専門医が教える
あなたのACPは
なぜうまくいかないのか?
- サンプルページ
どなたでもご覧いただけます
定価 2,970円(税込) (本体2,700円+税)
- A5判 240ページ 2色
- 2024年9月2日刊行
- ISBN978-4-7583-2242-3
電子版
目次
ⅠACPはなぜ必要か?
ACPが必要になる場面での会話から考える
意思決定支援の会話は3ステージ
1stステージ 病状の説明
01 事前の準備が超重要
02 医療者側で意志の統一が得られているか
03 話をする物理的な場所を確保する
04 自己紹介と開会の言葉
05 こちらから説明を始める前に相手の理解を確かめる
06 情報の伝達「2分ルール」
07 情報の伝達「50%ルール」
08 予後の情報をどう伝えるか?
09 予後情報を伝えたあとは感情に留意する
10 質問にはシンプルに答える
11 会話に出席しているすべての人に注意を払う
2ndステージ 治療ゴールの設定
01 2ndステージを抜かす失敗が一番多い
02 Shared decision makingとは?
03 新しいコンピューターを買うときの,店員さんの説明から考えみてる
04 人生観,価値観を探るためにどんな質問を投げかけるか
05 治療のゴールを大まかに3つの方向に分ける
3rdステージ 治療オプションの相談
01 3rdステージは医療者側がリードする
02 一つ一つの医療行為のbenefitとburdenを考える
03 治療のゴールを達成するのに何が必要で何が必要でないのかを考える
04 治療法を提案するときは「〇〇はしないほうがいいと思いますよ。どうですか?」と尋ねる
05 治療法の提案はポジティブなことを先に,ネガティブなことをあとで
06 治療法については交渉が必要
07 Time limited trial(お試し期間)を提案する
ⅡACPについて
01 ACPについて
02 ACPの定義
03 ACPに含まれるもの
04 事前指示書が効果を発揮するには?
05 ACPの研究が示してきたこと
06 もっと本当の意味でのACPでは人生観,価値観をシェアする
07 すべての会話は3ステージでアプローチする
08 常に2ndステージを考える
09 理想的なACPの形は?
10 なぜACPをしたほうがいいのか? ACPは自分のため?
11 ACPが大切である真の理由は?「患者本人が家族に贈ることのできる最大のプレゼント」
12 ACPはいつ始めるのがいいのか?
Ⅲ実際にACPについてどう話すか?
01 ACPを妨げるハードル どうやって会話を切り出すか?
02 イケてないACPの例
03 ACPで尋ねる4つの質問
04 どの順番で尋ねるか?
05 ポジティブからネガティブへの転換 “Hope for the best, plan for the worst”
06 どうやって話をふくらませるか? フォローアップの3つの質問
07 フォローアップの質問は繰り返して使う
08 ACPは1回やったら終わり?「イベント」ではなくて「プロセス」
09 ACPは誰がやる?
10 以前の情報があるときは,その情報を利用する
Ⅳこんなときどうするか?
01 「私は死ぬんですか?」
02 「本人には言わないで」
03「ICUで外科手術後の患者。術後4週が経過。もうどう見ても救命できそうにないのに外科医の意向が強すぎて,家族との話し合いを始めることすらできない」
04 「3ステージのアプローチは理解できる。でも,そんなのやる時間がないよ」
05 「先生にすべてお任せします」
06 「先生が家族だったらどうしますか?」
07 「もしものことなんて縁起でもない!」
08 「ACPでは治療のことは話すなというけど,その話になったらどうするの?」
09 「2nd ステージを先にやっちゃだめ?」
10 「それ明らかに本人の意向と違うんじゃない?!」
Ⅴコミュニケーションのコツ
01 「残念」はbad word
02 副詞を強調する
03 NURSE は目的ではなくて手段
04 同じフレーズでも言い方次第で伝わり方が変わる
05 「頑張ってきたのはわかります」はNG
06 「〇〇が必要ですが,どうしますか?」
07 決断をその場で無理強いしない。北風と太陽の話
08 医療者の価値観を押しつけるのはご法度
09 しつこすぎるinvitation
10 反復という名のオウム返し
11 沈黙の使い方
12 「私」vs「私たち」
13 相手の立場に立って考える。「患者に寄り添う」必要はあるのか?
Column コミュニケーションの上達のために
01 予習と復習の大切さ
02 「緩和ケアで悪い知らせばかり伝えていると嫌になりませんか?」
03 コミュニケーションの成否を決めるのは何か?
04 コミュニケーションはスキル
ACPが必要になる場面での会話から考える
意思決定支援の会話は3ステージ
1stステージ 病状の説明
01 事前の準備が超重要
02 医療者側で意志の統一が得られているか
03 話をする物理的な場所を確保する
04 自己紹介と開会の言葉
05 こちらから説明を始める前に相手の理解を確かめる
06 情報の伝達「2分ルール」
07 情報の伝達「50%ルール」
08 予後の情報をどう伝えるか?
09 予後情報を伝えたあとは感情に留意する
10 質問にはシンプルに答える
11 会話に出席しているすべての人に注意を払う
2ndステージ 治療ゴールの設定
01 2ndステージを抜かす失敗が一番多い
02 Shared decision makingとは?
03 新しいコンピューターを買うときの,店員さんの説明から考えみてる
04 人生観,価値観を探るためにどんな質問を投げかけるか
05 治療のゴールを大まかに3つの方向に分ける
3rdステージ 治療オプションの相談
01 3rdステージは医療者側がリードする
02 一つ一つの医療行為のbenefitとburdenを考える
03 治療のゴールを達成するのに何が必要で何が必要でないのかを考える
04 治療法を提案するときは「〇〇はしないほうがいいと思いますよ。どうですか?」と尋ねる
05 治療法の提案はポジティブなことを先に,ネガティブなことをあとで
06 治療法については交渉が必要
07 Time limited trial(お試し期間)を提案する
ⅡACPについて
01 ACPについて
02 ACPの定義
03 ACPに含まれるもの
04 事前指示書が効果を発揮するには?
05 ACPの研究が示してきたこと
06 もっと本当の意味でのACPでは人生観,価値観をシェアする
07 すべての会話は3ステージでアプローチする
08 常に2ndステージを考える
09 理想的なACPの形は?
10 なぜACPをしたほうがいいのか? ACPは自分のため?
11 ACPが大切である真の理由は?「患者本人が家族に贈ることのできる最大のプレゼント」
12 ACPはいつ始めるのがいいのか?
Ⅲ実際にACPについてどう話すか?
01 ACPを妨げるハードル どうやって会話を切り出すか?
02 イケてないACPの例
03 ACPで尋ねる4つの質問
04 どの順番で尋ねるか?
05 ポジティブからネガティブへの転換 “Hope for the best, plan for the worst”
06 どうやって話をふくらませるか? フォローアップの3つの質問
07 フォローアップの質問は繰り返して使う
08 ACPは1回やったら終わり?「イベント」ではなくて「プロセス」
09 ACPは誰がやる?
10 以前の情報があるときは,その情報を利用する
Ⅳこんなときどうするか?
01 「私は死ぬんですか?」
02 「本人には言わないで」
03「ICUで外科手術後の患者。術後4週が経過。もうどう見ても救命できそうにないのに外科医の意向が強すぎて,家族との話し合いを始めることすらできない」
04 「3ステージのアプローチは理解できる。でも,そんなのやる時間がないよ」
05 「先生にすべてお任せします」
06 「先生が家族だったらどうしますか?」
07 「もしものことなんて縁起でもない!」
08 「ACPでは治療のことは話すなというけど,その話になったらどうするの?」
09 「2nd ステージを先にやっちゃだめ?」
10 「それ明らかに本人の意向と違うんじゃない?!」
Ⅴコミュニケーションのコツ
01 「残念」はbad word
02 副詞を強調する
03 NURSE は目的ではなくて手段
04 同じフレーズでも言い方次第で伝わり方が変わる
05 「頑張ってきたのはわかります」はNG
06 「〇〇が必要ですが,どうしますか?」
07 決断をその場で無理強いしない。北風と太陽の話
08 医療者の価値観を押しつけるのはご法度
09 しつこすぎるinvitation
10 反復という名のオウム返し
11 沈黙の使い方
12 「私」vs「私たち」
13 相手の立場に立って考える。「患者に寄り添う」必要はあるのか?
Column コミュニケーションの上達のために
01 予習と復習の大切さ
02 「緩和ケアで悪い知らせばかり伝えていると嫌になりませんか?」
03 コミュニケーションの成否を決めるのは何か?
04 コミュニケーションはスキル
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コミュニケーションとは生来のセンスでするものではない。手術手技と同様に,なぜそうするのか明確な理由があり,誰もが身につけることのできる「スキル」である
コミュニケーションとは生来のセンスでするものではない。手術手技と同様に,なぜそうするのか明確な理由があり,誰もが身につけることのできる「スキル」である――。
日本での外科研修を経て渡米し,紆余曲折を経て米国日本人緩和ケア医となった著者が,あなたのACPはなぜうまくいかないのか,「3ステージプロトコル」に沿って解き明かす。自分が今,会話のどの時点にいて,何をしなくてはならないかを客観的に理解し,緊張したり混乱しがちなACPの場面で冷静に対応することができるアプローチである。相手の理解力を確かめる,病状は2分以内にまとめる,医療者は会話の50%以上話してはいけない,質問にはワンワードワンセンテンスで答える……,「何をすべきで,何をすべきでないのか」をスキルとして明快に解説。
米国で直接指導する研修医だけではなく,もっとたくさんの人を教育できればとSNSでも日々発信する著者のプロフェッショナリズムを体系的にまとめた待望の書籍である。